旭川デンマーク協会設立三十周年記念研修旅行、スウェーデン・デンマーク紀行のつづき。
ストックホルム三日目。大矢二郎・東海大学名誉教授の教え子で、現在はストックホルム在住の女性の案内で、朝から「森の葬祭場」に出かけた。建築の世界で仕事をする人たちには知られた、歴史的なランドスケープ作品だそうな。地下鉄と電車を乗り継いで三十分ほどの駅から歩いて十分ほど。菩提樹の並木道を抜けて古い石垣で囲まれた墓苑の入口に着いた。一九一五年に新墓地建設のために行われた国際コンペで、スウェーデンの若き二人の建築家、エリック・グンナル・アスプルンドと友人のシーグド・レーベンツの設計案が選ばれた。二人の設計により、砂利採石場跡地とその周辺は広大な森林へと造り替えられた。これが美しい近代墓地の世界遺産「スクーグシュルコゴーデン=森の墓」だ。
苑内の小道をたどり、針葉樹や白樺の森の中に散在する十万基を超える簡素な墓石や礼拝堂、ビジターセンターの建物を見て回った。森の中にひっそりと建つ小さな墓石。少し前にお参りに来た人がいるのだろう、花が供えられている墓石もちらほらあった。後で確認したら、ものすごい数の写真を撮っていた。百歳になる母親から先祖代々の墓を引き継いでいる我が身を重ね合わせていたのかも知れない。墓石屋の展示場みたいな、バカでかい墓よりも、この森の中に忘れられたようにある、質素な、つつましやかな墓がいいな…。
森の葬祭場を見学した後、案内役の女性の自宅にお邪魔した。世界的に知られるエコタウンだという。各家庭の生ゴミは地下の配管を通して集められ、バイオガスや堆肥にリサイクルされる。生ゴミから作られたバイオガスはキッチンの燃料に、ゴミ焼却時の熱は温水暖房として再利用されるという。元は工場地帯だったという。すぐ近くを流れる川(運河か?)では、住民らしき人たちが釣りを楽しんでいた。この川にはビーバーが棲んでいるそうな。
(全文は本紙または電子版でご覧ください)






