我が家の給湯ボイラーの燃料は灯油だ。予熱機能なるものが装備されていて、お湯を使うときは少し前にスイッチを入れる。お湯を使いたいときにすぐに使えるように、あらかじめ予熱をしておきたい。だから、台所に立つときは、いつも予熱をしている状態。ところが家人は、それはエネルギーの無駄遣い、と心得ているらしく、すぐに予熱スイッチを切る。年金生活者なのだから質素に暮らさなきゃ、という心づもりらしい。

 イラン戦争が始まった二月末から、家人の「省エネ」趣味はますます極まって、テレビや炊飯器、トースター、ジューサーなど日常使う電気製品のコンセント全てをスイッチ付きに取り替えた。コードの根元にスイッチが付いている、アレである。無駄な電気は使わないという決意の表れ。まっ、給湯ボイラーの予熱も、電気機器の節電も、エネルギー源の多くを輸入に頼る島国の住人としては、真っ当な態度と言えるだろう。

 思い起こせば…、あれは東日本大震災で東京電力福島第一原発が爆発事故を起こした直後の二〇一一年から三年間の夏、そして国内の全ての原発が停止した二〇一四年の夏だったか。政府は企業や個人に広く節電を呼び掛けた。七月一日から九月三十日までの電力需要が高まる時期の午前九時から午後八時の間は、「できるだけ電気を使わない生活を」と国民にお願いしたのだった。たった十五年ほど前のことなのに、すっかり忘れちゃってるな…。

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(工藤 稔)

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