可愛がってもらった「紀夫」という名の先輩が、事あるごとに、自身の名前について恥ずかしそうに語っていたのを思い出した。彼は一九四〇年、昭和十五年の生まれ。「紀元二千六百年の年に生まれたから、紀夫なんだぜ。オヤジは真面目な人だったからな、お上のお達しは全て信じていたんだろう。オレは、自分の名前が嫌いだ。恥ずかしいよ」。

 皇室典範を変更する議論の中で、自民党の幹部たちの発言を漏れ聞いて、笑ってしまった。「皇位の男系継承は二千六百年以上にわたって先人たちが守り抜いてきた皇室の伝統です」(小林鷹之・党政調会長、十日の衆院議院運営委員会)。十五日の参院特別委員会でも、山谷えり子参議が「二千六百年以上にわたり、連綿とつながれてきたわが国固有の皇統。先人たちが守り抜いてきた皇室の伝統は重く、美しく、今を生きる私たちは謙虚でありたい」と述べたと報じられた。

 「私たちはいったい、いつの時代に生きているんだあ?」「現人神の神話がまことしやかに語られていた昭和十五年に逆戻りしたのかあ?」――

 小林衆議の来歴をウィキペディアで調べてみると、この方、一九七四年、千葉県市川市の出身。開成中学・高校卒で、東京大学文科一類から大蔵省に入省し、ハーバード大学に留学するなどして二〇一二年の総選挙で、千葉二区から立候補して初当選。現在六期目で、これまでに自民党総裁選に二回立候補して落選している。経歴を見れば、秀才なんだろうけど、歴史は勉強しなかったのね。

(全文は本紙または電子版でご覧ください)

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。