新聞やテレビのニュースで、「AI(人工知能)」という言葉を読んだり見たりしない日はない。一般の企業や個人も、仕事などにAIを活用する時代である。人出不足の解消に一役買う、という面もあるのだろう。かくいう弊社でも、記者の代わりにAIに記事を書いてもらおうか、という話も出るくらいだ。

 それほど身近な存在に思えるAIが、人類の「脅威」になり得るという恐い話である。八月三十一日付毎日一面肩のインタビュー記事「AI新世紀―脅威と向き合う―」で、現在の生成AIの基礎を築いた「AIのゴッドファザー」と称されるカナダ・モントリオール大のヨシュア・ベンジオ教授は、AIの破滅的なリスクを指摘し、人類が「絶滅」の危機に直面していると強い警告を発している、と報じる。

 書き出しはこうだ。

 AIのリスクに気付いたのは、今から十三年ほど前のことだった。共にAI研究を先導していたヤン・ルカン氏(元・米メタ)とジェフリー・ヒントン氏(元・米グーグル)が大手テック企業にリクルートされた時だ。

 企業がAIに関心を抱いたのは、広告配信の自動化に役立つからではないか、という印象を持った。AIによって、個人に適した広告を自動で配信できる。これは、必ずしも良いことではないと感じた。なぜなら、AIが影響力を持ち、私たちを説得し、意見を変えてしまうことができるからだ。これは、民主主義にとって危険なものになり得ると考えた。

 事態は急速に進展する。記事は、次のようにつづく。
 ――そして二〇二三年、「AIによる(人類)絶滅のリスクの軽減は、パンデミックや核戦争と並んで、世界的な優先事項とされるべきだ」という声明を出した。(グーグルを退いた後の)ヒントン氏や、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)ら、専門家や業界大手トップとの連名だった。

 あれから三年が経過したが、状況ははるかに悪化した。私たちは絶滅のリスクに、かなり近づいてきている。この三年間で、人間より賢い機械の開発が大きく進み、完全自律型AIも発展した。

 AIが意図を持って人間の意に反した振る舞いをするという懸念は、三年前は理論上のものに過ぎなかった。しかし、この三年間で、AIがうそをつき、人を欺き、私たちの管理を逃れ、シャットダウン(システム停止)を拒み、さらには人間を脅迫してくるという実験的な証拠を見てきた。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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