(文中敬称略)「敗ける」とは予想していたが、ここまで惨敗するとは思わなかった。今月十三日に投開票が行われた沖縄県知事選挙のことだ。現職の玉城デニー(66)と自民や維新などが推す新人で元那覇市副市長の古謝玄太(こじゃ げんた・42)の事実上の一騎打ちとなった。期日前投票の出口調査では、多くのメディアが「古謝がリード、玉城が激しく追う展開」などと報じていたが、結果は投開票日の夜八時になった途端、古謝の「当確」が報じられるという一方的な闘いだった。
古謝が四十二万三千百二十四票と過去最多得票を獲得した一方で、玉城は二十七万六千六十票に留まり、なんと十四万票以上の大差がついた。ちなみに玉城デニーの過去の得票数は、二〇一八年の初当選時が三十九万六千六百三十二票、二〇二二年の二選目が三十三万九千七百六十七票だった。また、今回の投票率は六一・五七%で、前回の五七・九二%を三・六五ポイント上回った。
投開票日の前から、SNS上の異常な誹謗中傷合戦が報じられていた。特に玉城デニーに対する悪質なデマやAI動画が撒き散らされ、玉城陣営は選挙中に公式アカウントの閉鎖を余儀なくされたという。こうした選挙妨害が、玉城の票を減らした面も幾らかはあるだろうが、それが十四万票の大差の要因ではない。これが沖縄の現在の「民意」なのだ。自民党政権が一貫して続けてきた「沖縄いじめ」がついに結実した、ということだ。
歴代の自民党政権による「沖縄いじめ」は目に余るものがあった。小欄でも過去に何度か書いている。二〇一五年十一月三日号の小欄は「沖縄に見る“明日の我が身”」のタイトルで、次のように書いた。
――(前略)「これ以上の米軍基地はごめんだ。なぜ、沖縄だけがこのような差別を甘受しなければならないのか」という至極まっとうな声を上げる沖縄県民に対して、安倍政権は、聞く耳を持たぬどころか、その権力を盾に、露骨で残虐な「いじめ」を国民に恥ずかしげもなく見せつける。まるで見せしめのごとく。
(工藤 稔)
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