還暦を過ぎたこの歳になって、何だか胸が躍るのを感じる。感動するって、きっとこんな気分のことを言うんだろうと思う。もう少し早く、この気分を味わっていれば、オレの人生も少し違った方角を向いていたかも知れないな、なんて考えたりする。
道内の研究者や報道者らでつくる北海道淡水魚保護ネットワーク(事務局・函館)が十一月三十日、国交相と環境相、国交省北海道開発局長、北海道知事に宛てて、意見書を提出した。下川町に計画されているサンルダムについて「サンル川のサクラマスとカワシンジュガイは世界の貴重な自然遺産」と題する意見書である。
三年余前、「コンクリートから人へ」を掲げた民主党への政権交代で、一時は「凍結」されたサンルダムは、役人達の巧妙な巻き返し工作によって、訳が分からない委員会やら検討の場やら、胡散臭いからくりが繰り返されている間に、つい先日、建設の「継続」が決定的になった。
このタイミングで北海道の淡水魚と自然生態系を守ろうと活動を続ける団体が意見書を出すというのも、いささか遅きに失した感がないでもない。しかし、その専門的立場からの具体的な指摘、科学者としての提言を、ダムを推進する人たちにぜひ読んでいただきたいと強く思う。
(工藤 稔)
(工藤 稔)
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