東京都知事選(六月二十日告示、七月七日投開票)の告示まで一カ月。自民党は現職の小池百合子都知事にひれ伏し、独自候補の擁立を見送る。「女帝3選確実」のお膳立てが着々と進む中、再燃した「カイロ大学卒業」の学歴詐称疑惑は払拭されていない。小池に関わった人々や疑惑を追及する人たちに話を聞くリレーインタビューの初回は、「文藝春秋」(五月号)で「学歴詐称工作に加担してしまった」と爆弾告発した元側近。彼だけが知る女帝の「裏の顔」とは――。

 日刊ゲンダイ・デジタルが二十一日に配信した記事のリードだ。「爆弾告発した元側近」とは、小島敏郎(こじま・としろう)氏のこと。以下は、記事に添付された小島氏の略歴。▽一九四九年生まれ。東大法卒後、環境庁入庁。地球環境審議官などを経て退官。二〇一六年に東京都特別顧問、一七~二一年に都民ファーストの会事務総長。現在、早稲田リーガルコモンズ法律事務所顧問・弁護士。

 ネットの世界では、「小池学歴詐称」は大変な騒ぎになっているが、私たちが日々目にする一般紙は、完全無視である。十九日付朝日新聞の第二社会面に「小池氏3期目? 近づく自民」という二段見出しの大きな記事が載った。紙面の半分を占める六段の記事に、「裏金逆風の中 共闘に含み」「都知事選告示まで1カ月 見えぬ構図」「野党は追い風『千載一遇』」「後出しジャンケン 『リスク回避も』」の四本の横見出しだ。

 記者四人の署名記事。当然、小島敏郎氏の名前が出て来るかと思って読み始めたのだが、ガクッ…。小島の名も、カイロ大学も、学歴詐称も、ひと文字もない。これはどういう意味なのだろう。都庁記者クラブの記者たちは、小池知事に忖度(そんたく)しているということか? 大新聞の事情はよく分からないが、そんなことが、社内で通用するんだろうか。署名がある四人の記者も、その上司も、報道部全体も、恥ずかしくないのだろうか。

 日刊ゲンダイ・デジタルの記事の本文、小島氏のインタビューを紹介しよう。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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