小欄で、身の程知らずに大手マスコミに対して批判的な「論」を書いてきた。あまりほめられたことはないが、「やめろ」と止められた経験もない。読まれていないという表れかも知れないが。内心、大手紙とか、テレビ局とか、他紙や他局の報道をもっと批判的に報じないのはなぜなの? と不思議に感じてもいた。互いに言いたいことは山ほどあるはずだろうに、と。
八月八日付朝日のオピニオン面のコラム「多事奏論」に、「重要法案次々――NHKの国会報道 熱量は」の見出しで、田玉恵美・編集委員がNHKの報道姿勢を批判する記事を書いている。見出しも言葉も一見おとなしいが、内容は極めて攻撃的な論調である。
熊本地震の報道について、「次々に流れていく情報を主力番組でいったんせき止め、整理して掘り下げる。他にはないNHKの組織力と機動力を感じる内容だった」と持ち上げながら、「この熱量に比べると、今回の特別国会の報道には物足りなさが残った」と続ける。以下、引用しよう。
――ふだん政権に近い論調が多い読売新聞を含め、大方の全国紙が反対する異例の展開となった皇室典範改正、政府が国民の監視を強める国旗損壊処罰法。重要法案が目白押しだったが、NHKがクロ現(クローズアップ現代=筆者注)やNスぺ(NHKスペシャル=同)で取り上げることはなかった。
看板番組で触れないのはなぜか。定例会見で聞くと、井上樹彦会長は「日々のニュースで相当詳しく随時報道している」「十分やって役割を果たした」などと述べた。皇室典範は国会の審議を中継し「日曜討論」で扱ったとも説明した。(中略)
どうして女性天皇を検討しないのか。違憲の疑いがあるのになぜ、国旗損壊を罰する法律が要るのか。こうした論点をNHKが自ら深掘りしたとは思えない。(引用終わり)
(工藤 稔)
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