東京都の石原慎太郎知事が二十五日、記者会見を開き、都知事を辞職して保守勢力を結集した新たな政党を結成すると表明した。次の衆議院選挙に比例区から立候補するという。

 記者会見を報じるテレビニュースを見た。都知事の後継について石原知事は猪瀬直樹副知事の名を挙げて、「猪瀬さんで十分だと思う。あれだけ優秀な副知事は見たことがない。非常に重宝している」と述べた。

 一緒にテレビを見ていた家人と、思わず顔を見合した。家人は「副知事のことを自分の使用人と思っているのね、この男」とつぶやいた。「重宝」という言葉を辞書で引くと「貴重な宝物」といた意味の他に、「使って便利なこと、便利だと感じてよく使うこと」の意味がある。週に二、三日しか都庁に出勤しない知事にとって、猪瀬副知事という有能な番頭さんは極めて便利なのだろう。その一言に、この人の本質を見た。

 その石原都知事が「連携・連帯」する予定だという日本維新の会代表、橋下徹・大阪市長と「週刊朝日」の闘いは、週刊朝日側のあまりに淡白な「降参宣言」で、開戦と同時に、突然、収束した。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。