過日、道都大学学長で、経済学者の浜田康行さんの講演を聞いた。この日の演題は「アベノミクスの帰結―北海道経済の行方」。中小企業家同友会道北あさひかわ支部(支部長・渡辺直行カンディハウス会長)の年末恒例の“浜田塾”である。昨年の「塾」で浜田学長は「二〇一四年は、円安が進み、株は値上がりする」と予測した。円安の方は、百二十円まで急騰したのは少し行き過ぎだったが、それにしても予測は当たった。
講演の中で浜田学長は、一九六四年東京大学の卒業式で、当時の大河内一男総長が卒業生に贈ったとされる「太った豚より痩せたソクラテスになれ」の名言を取り上げ、日本は高度経済成長時代のような「太る」作戦をもう一度とろうとするのか、それとも知性を象徴するソクラテス、しかも痩せたソクラテスに少しでも近づこうとするのか、北海道の経営者はどちらを選択するんだろう、と語った。
安倍政権は、私たち国民を「太った豚」でなく、「太りそうだと勘違いする豚」にする腹積もりのようだ。十八日付の朝日新聞一面トップの記事を少し長いが引用する。
――政府は、最近の低迷する景気にてこ入れする経済対策の大枠を固めた。国が出す予算の規模は3兆円超になる見通しだ。目玉は、灯油購入補助や、観光や特産品販売支援に使える自治体向けの交付金。コメ農家や漁業者への補助金も盛り込み、来春の統一地方選を意識した「地方対策」を前面に出した経済対策となる。

(工藤 稔)

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