これって、経済対策とか、景気浮揚策とか、そんな大層な呼び方をするほどのものなのだろうか。

 またまたプレミアム付き商品券。このたびは、市外から旭川にやって来た観光客がタクシーを使って酒蔵を回ったり、そば打ち体験をしたりできる「着地型観光プレミアム商品券」。千円分の商品券が六百円で買える。なんと四〇%引きという大出血サービス。併せてホテルや旅館に割安で泊まれる「宿泊券」も登場した。全国のセブンイレブンやローソンなど四万九千店舗のコンビニで販売する。こちらも、二千円の宿泊券が千二百円、四〇%のプレミアム付きだ。

 市観光課によると、このプレミアム付き商品券と宿泊券の予算は事務費を含めて六千八十一万七千円だそうな。全額が国からの交付金で賄われる。宿泊券の方は、閑散期の冬場に観光客を呼び込もうと、利用期間を十月から来年二月末に限定している。

 担当者は、「プレミアム宿泊券や商品券を使って一度来てもらえば、四季さまざまな楽しみがあり、食べ物もおいしい旭川の良さを分かってもらえる。また旭川に行こうと、リピーターになってもらえることを期待しています」と説明する。

 全額が国からの交付金だと言われると、私たちの懐は痛まないんだぁと思ったりするけれど、結局は私たち国民の税金・借金だ。七月十四日号の小欄でも書いたが、この一連のプレミアム商品券の予算には、前年度の補正予算で全国にばら撒かれた「地域住民生活等緊急支援交付金」四千二百億円のうち二千五百億円が使われている。

 この大きな投資は、旭川や道北地域の景気をもしかすると押し上げる効果があるのかも知れない。いや、きっと観光や飲食の分野に効果は出るだろう。だが、しょせん一過性だ。残念ながら市の観光課の職員が期待するリピーターを育てるところまで行くかどうかは…。

(工藤 稔)

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