「落ちぶれて武器ありますの暖簾(のれん)出す」(大阪府 小倉三歩)――二十二日付の朝日川柳の一句だ。高市早苗内閣が二十一日、武器輸出を規制する防衛装備移転三原則を改訂し、殺傷能力のある武器の輸出を全面的に解禁したことをユーモアを込めて指弾する秀句である。

 “落ちぶれて”には背景がある。宮沢喜一元首相が外相だった一九七六年五月、衆院外務委員会で武器輸出について答弁している。少し長いが、哲学とか理念の分野で現在の政府との途方もない大きな差異を感じさせる言葉なので全文を引用しよう。

 「我が国には武器輸出三原則があります。これは、武器に当たるものは輸出しないことと私は考えております。ただ、このような哲学を持っている国は、おそらく我が国だけと言ってもいいくらい、世界の中では少数であります。現実に武器を売る方も買う方もありますが、それらは我々と哲学が全く異なることとなります。

 そして買う方は国の安全とかいろんな理由があると思いますし、また売る方は兵器産業というものがある意味でその国の経済体質の中にはっきりと組み込まれてしまっていて罪悪感というものは伴っていないというのが現状だと思います。もちろん、経済政策的に言えば、兵器の生産や兵器の購入というものはいわゆる非生産的なものでありますから、本当はそのような姿では経済発展というものには寄与しないと私は思います。

 しかし、今の現状というものは、我が国が主張したところでなかなか簡単には世界は変わらないと思います。我が国のような軍備らしい軍備を放棄した国が、歴史上、繁栄していくことで、そのようなパターンというものが示せるほど長い時間が経てば、これは一つのいい教訓になっていくかもしれないと思います。
 これは、時間がかかることではあるということから考えますと、どうも残念ながら、そのような兵器をめぐる取引というのは現実として考えざるをえないところもあります。しかし、そこへ我が国が入っていくかどうかということについては、やはりどうしても消極的に考えるべきであります。

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(工藤 稔)

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