しつこいようだが、先の自民党の歴史的圧勝の衆院選について書く。マスコミも含めて政治を評する人たちが、「衆院の解散は首相の専権事項」としたり顔で語る姿に、いつも違和感を覚える。そんな途方もなく大きな権力を一人の政治家に与えて良いものなのか、と。「憲法のどこにも、『専権事項』なんて文言はない」という話を聞いて、日本国憲法をのぞいてみた。
第一章 天皇 第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。二 国会を召集すること。三 衆議院を解散すること。…
第四章 国会 第四十五条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。第五章 内閣 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。…2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
確かに、「専権事項」なんて文言はない。天皇に対する「内閣の助言と承認」を「総理大臣の専権事項」と解釈したのかな? それとも、内閣総理大臣が国務大臣を任命したり罷免したりできるから、衆院そのものを解散できる権利を与えていると解釈しているのか。憲法学者でないから、とんと分からん。
北海道新聞一月二十日付一面の記事に高市首相は記者会見で、二十三日召集の通常国会冒頭で衆院を解散すると表明し、その理由として、「高市内閣が取り組み始めたのは、経済財政政策をはじめ国の根幹に関わる重要政策の大転換。高市早苗に国家運営を託すのか、国民に直接判断をいただきたい」と述べたとある。「自民と日本維新の会による連立政権の枠組みや連立合意への信を問いたい」と説明したとも。
衆院議員の四年の任期を二年九カ月も残しての解散。道新は〈解説〉で、「約七百億円ともされる税金をかけて、いま衆院選を行う必要があるのか。『政治の都合ではなく、国民の意思に正面から問いかける』と語った首相の判断に、国民の審判が下される」と批判的な論調だった。そして結果は、ご存じの通り。高市・自民の歴史的とも言える大勝だった。
二月十三日付朝日新聞のオピニオン面に、長谷部恭男・早稲田大学教授、杉田敦・法政大学教授、加藤陽子・東京大学教授の三人によるてい談が載った。「人気投票化し『歴史的圧勝』の高市政権 この国の民主主義はどこへ?」の記事の中で長谷部氏と杉田氏が、この「衆院解散は首相の専権事項」という、“伝家の宝刀”について話し合っている。憲法学者の見解を聞こう。
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(工藤 稔)
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