今後四年間、旭川市の行政を司る市長が決まった。事前の予測通りと言っていいのだろう、現職の西川将人候補が、大差で二人の対立候補を破り二選を果たした。投票率は、四九・三三%。「五〇%を割った選挙は無効にするべきだ」との声も耳にするが、現行の制度の下では従順に結果を受け入れるしかない。

 政権が交代して一年余り。国の施策の方向が定まらない状況が続くだろう、地方都市にとっては至難この上ない現在から四年間の市政を、選挙民は西川市長に託すことを選択した。その結果の責任も、当然私たちが引き受けなければならない覚悟をしたということだ。

 前週、「『北彩都にタワー』は『住民投票』で是非を問う問題ではありませんか――」の見出しで、西川候補の公約の一つを取り上げた。選挙戦の真っ只中、現職候補の公約について疑問を呈する記事を書いたのは、強く「危うさ」を感知したからだ。しかも、今回の「タワー構想」が過去四年間の西川市政を象徴するのではないか、そう直感し、あえて書いた。

 西川市長は、告示前の候補者討論会で「北彩都に夜景を見られるタワーを整備し、旭山動物園のような魅力ある観光地域にしていきたい」と構想を披露し、さらに「建設費は高さ百メートルで約二十億円。まちづくり交付金による国の補助を半分近く受けられる可能性があるので活用する」と具体的に述べた。選挙戦の最中、突如、具体的な数字を伴って出て来たタワー構想である――。

(工藤 稔)

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