前週の続きです、と始めても、前週の小欄を読んでいない人にはチンプンカンプンですよね。ちょっと復習します。

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相がたった一日の滞在という、超過密スケジュールを押して来日したのは、安倍晋三首相に原発再稼働について再考を促すこと、そして第二次世界大戦・アジア太平洋戦争から七十年になる今年、戦勝国で様々な記念イベントが予定される中で、安倍首相が今夏発表を予定する「談話」が、日・中・韓の間で続く不穏な状況に油を注ぐ内容にならぬよう助言すること、その二点が目的ではなかったか。

 ドイツ在住のフリージャーナリスト、梶村太一郎さんのブログには、南ドイツ新聞が自国の首相訪日を伝える論評の中で、メルケルが安倍首相と会う前に、あえて安倍政権が非難攻撃する朝日新聞で基調講演を行い、それを報じる公共放送NHKテレビが「ある新聞社で」と朝日新聞の名を伏せる報道姿勢を指摘して、「日本の学習能力はこの程度である」と断じていると紹介した。

 その上で梶村さんは、メルケル首相が、言葉を選んで脱原発の選択肢や、特に歴史認識に関して、その意義を伝えたいと心をくだいたのに、アレルギー的に拒否反応するだけで、聞く耳を持たない出来の悪い反抗期の子どものような安倍政権と、「朝日新聞社で」と具体的に伝えないNHK(※注釈)は、ドイツメディアから落第点を付けられ、ついに匙を投げられてしまった、と書いている。

 「つづき」は、(※注釈)の部分です。以下、梶村さんのブログを引用する。

(工藤 稔)

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