日曜日の午後、買物公園の商業ビルで開かれたタウンミーティングに出かけた。記事にあるように、旭川市が進めている市役所の新庁舎建設について、西川市長が市民と直接意見を交わす場。このテーマでの開催は、前回と二回。この後、年内に市民から文書で意見を受け付けるパブリックコメントを実施して、一月には基本計画の策定に入る予定だそうだ。

 集まったのは四十人ほどの市民。様々な意見が出された。市が示している基本計画骨子には、庁舎建設は「文化会館の建て替えと合わせて一体的に」進めるとあるから、当然、文化会館についても意見が出た。

 女性の一人から、「文化会館を建て替えるために、地下駐車場を壊すのか。旭川は冬の間、七メートルの降雪がある。なぜ、利便性のいい地下駐車場を壊してまで、文化会館を立て直す必要があるのか理解できない。新設が前提で開くタウンミーティングは、市民の不満を聞くため、つまり“ガス抜き”なのか?」と正直な質問が出た。

 西川市長は、「そんなことはありません」と笑い、「タウンミーティングは意見交換の場で、結論を出す場ではない」と、よく意味がわからない話をした。意見を交換したところで、市長が何度も口にした「ここまで積み上げてきた」計画は変わらない、手続としての、つまり女性が指摘した通り、ガス抜きの場である、ということなのだろう。

 続けて市長は、文化会館の建て替えについて、大よそ次のように説明した。

 「大規模改修をしても、使い勝手が良くなるわけではない」「建て替えと新築では、長い目で見れば、建設費やコストにそれほど差がない」「観光関連の人たちから、長期間のクローズは避けてほしいという声がある」「地下駐車場については、地下にはならないかも知れないが、雪の時期を考慮した駐車場を考えたい」

 そのタウンミーティングに参加していた六十代の男性読者から後日、メールが届いた。要旨を紹介しよう。

 ――市庁舎整備検討審議会に市が示したデータによれば、年間の費用負担を比較すると新設が安いということになっていますが、新設を六十五年という長期間使用するという設定に無理がある(五十年後には大幅改修が必要)ことや、地下駐車場と文化会館の建て替え費用を含めると、当然のことですが新設の方が高くなるに決まっています。

 

(工藤 稔)

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