季節の変わり目に下着や靴下を買いに行く店と定期健診を受ける病院でクラスター(感染集団)が発生したと報じられた。月に一度飲食をともにするメンバーの会社や時々暖簾をくぐる焼鳥屋でも感染者が出た。新型コロナウイルスがいよいよ身近に迫ってきている感じだ。

 一日号の小欄で「コロナワクチン接種の副反応」について書いた。医学の分野で仕事をする友人からメールが届いた。非科学的な言説に弱い、“文化人もどき”の筆者を心配する助言だと受け止める。紹介しよう。

 ――貴兄の「直言」で、ワクチン接種(特に子どもの)について書かれていますが、なかなか難しい問題だと認識しています。

 そもそもワクチンは、ご存知のように、ジェンナーの天然痘ワクチン以来、どのワクチンも、いつの時代にも、試行錯誤(ときには被接種者が亡くなってしまうことも)の繰り返しなわけで、「完全なもの」などは有ったためしがありません。

 ファイザーやモデルナの肩など持つ気は毛頭ありませんが、今回のコロナのような感染の急拡大に直面して、とにかくできるだけ速やかに、できるだけ多くの人々に免疫力を持ってもらうということを優先するのは致し方ないことだと思います。

 ワクチンについての純粋な科学的議論で足踏みしているだけでは、今の状況下では何の解決にもならないことは明らかです。ただし、こういう見切り発車ともとれる考え方が、「為政者たち」にうまく使われるのは要警戒ですがね。

 残念ながら、コロナに限らず何のワクチンでも、一定の割合でアナフィラキシー反応などの様々な副反応が出ることは避けられないのが実態です。

 ワクチンとは、貴兄も書かれているように「異物」を体内に入れるわけですから、元々我々の身体に備わっている、それに対する「生体反応」は当然あり得るわけで、それによって起こる一定程度のリスクは、なんとしても付き纏ってしまうわけです。誰もが、そこがいちばん不安なところだと思います。子どもや様々な疾患を持っている方なら、なおのことです。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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