以下、友人からのメール。怒っている。私よりも一歳年上だが、こうして怒りをあらわにできるのは気持ちが若い証拠だ。団塊の世代よりもちょっと下、ともに先の戦争の匂いがまだ身の回りに色濃く残っていた時代に生を受けた年代。戦後の民主教育の“良い名残り”を頭と体に蓄えている世代と言えるかも知れない。彼の口癖は、「後世、『あの時、あなたは何をしていたの?』と批判されたくないからね」。いつも、鼓舞される。紹介しよう。

 ――それにつけても今回の「G7」、ひと言で言ってひどい会合でしたね。
 そもそも、今の国際社会で、中国とロシアを抜きにした会合の意味がどこにあるのか? はなはだ疑問です。
 もちろん中国・ロシアの強大な軍事力を背景にした覇権主義、拡張主義を肯定するものではまったくなく、彼らの国際法を無視した動きを許すわけにはいきませんが、単に経済面だけ見ても、彼らを抜きにした議論が意味をなさないことは明らかです。単に排除するのではなく、むしろ包摂することこそ重要ではないでしょうか?
 もちろん今回参加した各国首脳たちにとっては、かったるくて面倒くさいことでしょうが、それを抜きにした軍事的な対決姿勢だけでは、地球の未来はないような気がします。
 今や、中国がクシャミをしたら、日本の経済、食料など、ひとたまりもないのですから。岸田がいくら勇ましいことを言ったところで、それが今、この国を取り巻く現実ですよ。
 今回の一連の岸田の発言に関しては、特に核兵器・被爆者関連での、あまりにも呆れるようなもの言いをはじめ、そのアホさ加減は、とても挙げきれるものではありません。
 ところが、今朝の道新の一面大見出し。「核廃絶へ『決意共有』」?!
 それだけ見ていたら、なんだか、とても意義のあった会議だったという風にとれませんか?
 東京報道センターの首相官邸キャップ・石井努なるものが書いた記事のようですが、そんな上っ面だけの記事を書くとは「君は今回の『G7』での岸田の一連の動きや発言の、何を見て、何を聞いていたのか?」と問いたい思いです。
 原爆碑前で、岸田がしれっと「核抑止論」を言ったことを、このひとはどう見たのか? さすが、「首相官邸キャップ」だけのことはありますな。(引用終わり)

 二十七日付毎日新聞の「特集ワイド」で、批評家で京都芸術大教授(思想史)の浅田彰さん(66)は、岸田首相が推し進める軍備増強路線を「静かな危機」と呼ぶ。

(工藤 稔)

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