このところ、毎朝、NHKの朝ドラを夫婦で観るのが習慣になっている。十月から新たにスタートした『ばけばけ』には、冒頭のクレジットタイトルの文字が小さすぎて、デザインとしては美しいのかもしれないが、視聴者の多くを占めるだろう高齢者にはとても辛いとか、脚本が奇抜、突飛すぎるとか、注文は多々あるのだが、主題歌がなんとなく気に入っているから、我慢して観ている。アイルランド系ギリシャ人、イギリス国籍を持つという小泉八雲の生涯に興味があるし、敬慕する夏目漱石と重なるところもあるし。

 その主題歌の一部。「日に日に世界が悪くなる/気のせいか そうじゃない」

 朝日新聞十月十五日付オピニオン面に、高橋純子編集委員が構成した「漂流する日本政治」なるタイトルの鼎談が載っていて面白く読んだ。「オールドメディア」なんて失礼な呼び方をする輩もいるやに聞くが、やっぱり新聞はいいなぁ、と感じつつ。三人とは、長谷部恭男・早大教授(憲法)、杉田敦・法大教授(政治理論)、そして加藤陽子・東大教授(歴史)である。感心した部分を紹介しよう。

 ――加藤陽子 自民党という家父長制的な政党、端的に言えば男性世襲議員が多いということですが、その中で、中産階級出身の女性がトップに立つことは時代を画する慶事である。これは間違いありません。ただ、一九八六年に社会党委員長となって「マドンナブーム」を巻き起こし、女性初の衆議院議長を務めた土井たか子さんとの連続性で高市さんを捉えることは難しい。この三十年余の間に起きた……というよりも、まさに今回、高市さんを支援した方々が中心的役割を担った男女共同参画に対するバックラッシュ(本紙註・反動)を経たうえでの、初の女性総裁だということは踏まえておくべきです。

 総裁選出時の「ワーク・ライフ・バランスを捨てる」発言が問題視されましたが、これは軍隊の中隊長レベルの発想です。それも、負けている軍隊。「身を捨てる覚悟」を見せることでしか隊の統率をはかれない。とても残念です。女性のリーダーシップを考える時、少なくともバックラッシュ以前の社会には、今の高市さんのようなありようは選択肢として存在しなかったはずです。

(工藤稔)
(全文は本紙または電子版でご覧ください)

(工藤 稔)

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