4ノ西1・TEL74―7617

手羽先焼きと言えばビールのお友。パリッ、ジュワーっと、あの光景を想像しただけでよだれが出そう。期待を胸に「手羽焼き たかしま」さんにお邪魔しました。
卓上のメニューには「手羽先」(二本四百円)と「もつ」(二本三百円)とおにぎり、黒板の季節メニューを合わせても計六品。一体どんなこだわりがあるのかと考えてしまいます。
パチパチ、ジュワ~っといい音を立てて手羽先がやってきました。店主の高嶋良樹さん(51)に、正しい食べ方を教えてもらい、いただきまーす。
カリッといい音と、口いっぱいに広がる肉汁。身も臭みがなく、絶妙な塩加減。いやいや、これは他のメニューはいらないと言っても過言ではありません。「肉を開かず丸ごと焼くことで、うまみを閉じ込めているんです」と高嶋さん。
そして「もつ」は驚くほど柔らかく、内臓にありがちな「臭み」ではなく、芳醇な「香り」が広がります。通常は成長した鳥の内臓を使いますが、贅沢にも道内産の若鳥の内臓なので、臭みがないとのこと。季節限定の「イベリコ豚(セボ)」(二串五百円)は、噛むほどにうまみが広がります。これまた塩が肉のおいしさを引き立てています。
「納得できないメニューは出しませんし、家でできるようなメニューも出しません」とキッパリと話す高島さん。あらゆる鳥を食べ尽くし、塩は肉に合わせて自らブレンド、オープンまで一日三十本以上食べて研究を重ねたというこだわりです。
「手羽先は父からの伝授」と語る高嶋さん。お父さんが倉庫でよく焼いては食べさせてくれたという、思い出の料理とのことです。「ただ美味しい料理を食べさせてあげたいだけです」。そのこだわりに感服いたしました――。
持ち帰りもできます。日曜、月曜、第二金曜、第二土曜定休。営業時間は午後五時半から十時まで。年末年始は二十八日(日)から来年五日(月)までお休みです。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

お店に行って、あれもこれも…というのも楽しみですが、なかなか決められない人と行くとちょっとイライラしますよね。ここはそんな心配はありません。何しろ数えるぐらいしかないんです。
「自分が納得したものしか出さない」との言葉に、食べて、確かにどれも納得の味! 手羽先はパリッと何本でもいけそう。食べ方の説明書があるのも嬉しい。焦ると失敗するのでご注意を。
クリスマスは手羽先を食べるのもいいかもね。

2014年12月16日号掲載