3ノ7・TEL73-3358

 サンロクの新しいお店です。通りがかりに何度か中を覗いて、明るくて綺麗なお店だなあと思っていました。今日は「おばんざい ふぅ」さんにお邪魔します。

 先月十日にオープンしたばかり。お店に入ると煮物のい~いにおいがします。忙しそうに料理を作っているのはオーナーの江頭光子さん(58)。テーブルにはズラリと肉じゃがや手羽大根、アカウオの煮つけや切り干し大根が並んでいます。

 価格はすべて四百円台、家庭料理の「おばんざい」を日替わりで楽しめます。「本来は旬の食材を使ったお惣菜、という京都の文化だけど、私が作っているのは北海道のおばんざいです。身近な食材を使っているし、できるだけ安くね。お会計の時に『大丈夫?』って聞かれるのよ、ハハハ」

 早速、肉じゃがをいただきます。ホクホクの甘じょっぱいジャガイモ、ちょっと濃いめの味付けは、お酒がすすみそう…。アカウオの煮つけもしっかりと沁み込んだ味、柔らかな食感。う~ん絶妙なおいしさ。

 日替わりだけでなく、他にもメニューがたくさんあります。一番人気の「豚の角煮」(五百三十円)は、ゴロンと大きな角煮に、温泉タマゴをのせています。一度食べたお客さんは次も必ず注文するのだとか。

 お酒は地酒はもちろんのこと、道外の珍しいお酒も季節替わりで揃えていますよ。

 知床出身の江頭さんは二十年ほど前、法律関係の仕事から一転、料理の道を決意し、市内の居酒屋さんで十数年、料理長まで務めました。「人のことはいいけれど、自分に負けたくないの。あのころは人の三、四…五倍は働いたかしらね。深夜に家に帰っても魚をさばいたりしたわ」。

 料理人の道を選んだ理由は「二人の息子に心配をかけたくないこと、定年もなく働き続けられること、そしてボケないこと」と笑います。

 「いつも清潔感と笑顔、感謝の気持ちを大事に、働き続けたいわね。四月四日からはランチも始めるから、もっともっと働くわよ~」。初めて会ったとは思えないほど明るく気さくな江頭さん。その人柄にも、綺麗なお店も、お料理にも大満足です。次は、お酒を飲むぞ――。

 今月は三十一日だけ休み。営業時間は午後五時から午前一時まで。

 四月四日からは選べる日替わりランチ(七百八十円)を始める予定です。以降は日曜定休、ランチは午前十一時半から午後一時半ラストオーダー、夜は午後五時から午前一時まで。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 前にあった居酒屋さんが閉店して、すぐにできたお店。「おばんざい」と書いてあり、気になって行ったのが大正解。

 私もいつも作っているようなお惣菜が並んでいますが、味付けが絶妙。自分のは甘すぎたり、しょっぱすぎたりするけど、ここのは全部おいしくて、作り方を教えてもらったりして。

 ホタテの稚貝はお味噌汁の具と思っていたけれど、こちらの「酒蒸し」、とっても美味しくて汁まで完食。

 そして安い! 隣にいた男性は開店以来、毎日来ていると言っていました。納得です。ぜひ、行ってみて下さい。

2016年03月15日号掲載