東光11ノ3・TEL56-1685

 南六条通りを環状線方面に進むと、キツネが描かれた看板が見えます。今日は東光の「EZOKAFFE」さんにお邪魔しました。

 木製のインテリアと白、青を基調にした爽やかな印象の店内。小じんまりしていますが、広々と開放感を感じる工夫がされています。

 さて、こちらはカフェですが、お料理は本格的なイタリアン。ランチはセットの他にも十種類のパスタやリゾット、ディナーでは「網走産鶏白レバーのペペロンチーノ」(九百円)や「釧路管内で獲れたエゾシカ肉のラグーソース」(千百円)などなど、二十種以上のメニューがありますよ。

 「旬の食材と道産食材を使ったイタリアンをメインに、気軽に入りやすいようにカフェという形態にしました」と菅圭介オーナー(40)。

 おすすめは「広島産カキと旭川産春菊のジェノベーゼ」(千円)=上写真。待っている間にもキッチンのほうからカキのいい香り――。早速、いただきます。

 「ジェノベーゼ」は通常、ペースト状のバジルを使いますが、こちらはなんと春菊でつくったソース。春菊の香りと、カキのうまみ、絶妙な塩味が相性バツグン。四角いダイコンやシャキシャキの生春菊もアクセント。大きな広島産のカキは、プリプリの食感も、旨味も、さすがは本場の味。あっという間に食べてしまいました。

 コーヒーもこだわりの一杯です。「北海道一おいしい」と評判の、札幌の「嘉多山(かたやま)珈琲」の焙煎豆を手間暇かけてじっくりハンドドリップ。「ブレンド」(四百円)はやさしい甘みと華やかな香りが絶妙な一杯です。

 菅さんは大阪府出身、大阪や京都で十数年修業を重ねてきました。ある時、趣味のバイクツーリングで訪れた北海道に惹かれ、偶然にも旭川のレストランでシェフの募集があったため移住。約五年を経て今年九月、開業しました。

 「ツーリング中に何気なく食べた食材が本当に美味しくて、いつか北海道でやりたいなあと思っていました」。偶然の移住から生まれた新しいイタリアンのお店に、ぜひ――。

 水曜定休。ランチが午前十一時から午後二時ラストオーダー、カフェは同二時から同六時、ディナーが同六時から同九時(同八時ラストオーダー)。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 水色の看板にはキツネの絵だけ、前を通っただけではイタリアンのお店だと気付きませんでした。なんとも控えめ…と思ったら、お料理はとてもインパクトがあって、おいしいの。

 パスタの味付け、ゆで加減、私好みです。エビのペペロンチーノも美味しかった。特に気に入ったのは、カキと春菊のジェノベーゼのパスタ。カキと春菊の香りがするソースが本当においしかった。

 そしてリゾット。ホントはそんなに好きじゃないんだけど、ここのはくどすぎず、深い旨味があって、人の分まで食べてしまった。次は夜にゆっくり来てみようと思います。

2016年11月15日号掲載