豊岡8ノ5・TEL31-9777

 豊岡にある「おうちごはん マザー」さんにお邪魔しました。

 風変わりな店名ですが、入ってみると納得。どこか懐かしい煮物のい~い匂いと、「お母さん」という雰囲気の大橋佳奈子店主(53)がお出迎えです。

 メニューは日替わりで選べる肉か魚に、煮物と小鉢四品、ごはん、味噌汁がついた「マザーごはん」(八百円)が一番人気。量を控えめにしたい方は「ミニ和膳」(六百円)がおすすめとのこと。おまかせ丼ぶりの「ミニ丼セット」(六百円)や金・土限定の「オムカレー」(八百円)もありますよ。

 本日の「マザーごはん」がやってきました。筆者は肉を選択。この日メインの手羽元の唐揚げは、サクサクとジューシーでご飯がすすむ味。おでんと、ゴボウと春雨の煮物は、まさに「おふくろの味」。酢豚だと思って食べたのが、豚肉の代わりに、なるとを使った「なんちゃって酢豚」。コレが意外なおいしさ、食材が被らないようにと工夫し、考えた料理だそうです。

 他にも、おひたし、サラダ、お味噌汁にご飯とたくあん。どれも、「これが食べたかった!」と思える、家庭の味。ご飯は一杯までお代わり無料ですが遠慮して、あーお腹いっぱい。

 食後には、季節替わりのデザートも。今季は「白玉ぜんざい」「おもちセット」(ともに五百円)などなど。混雑していなければ、お茶とお菓子もサービスしてくれるそうです。

 大橋さんは、これまで飲食店や福祉施設で調理師を経験し、一昨年の七月に開業しました。毎日買物をしながら、これだけの品数を考えるのだそうです。

 「私の母親が『まんべんなく食べなさい』とたくさんの種類を作ってくれる人でした。それが嬉しかったので、私もそんな『おふくろの味』を作りたかったんです」。

 また、料理を残したお客さんには、苦手な食材を聞いて、次の来店時には品を変えるようにしているそうです。「と言っても、ほとんど残す方はいないんですけどね」と笑う大橋さん。味だけでなく、こんな優しさまで「おふくろ」です――。

 定休日は、日曜と不定日。午前十一時半から午後四時半まで。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 店名を聞いて、この「マザー」はおふくろなのか、ママなのか、手抜き母さんなのか、とても気になり行ってみました。

 答えは正しい「おふくろの味」。私はお肉ではなく焼き魚を選んだのですが、焼きたてのジュージューいってるのが来た! これは嬉しい。美味しさは倍になる。ランチは、すでに焼いてある確率が高い。

 他に5品あるおかずも、一つひとつ丁寧に作っているのが伝わってくる。材料や味付けが、家で料理をする時にとても参考になる。日替わりだから、次は何が出てくるのか…リピート決定です。

2017年01月24日号掲載