忠和4ノ4  TEL 73-7181

 養護学校教員だった嶋宮光広さん(68)が八年前に、養護学校を卒業した生徒たちの居場所にしたいと考え、就労継続支援B型事業所として同店をオープン。調理や接客、清掃などの業務の中で、一人ひとりの「できる」を視点に、障がいのある人が働く希望を持てるよう支援する。現在は、二十人ほどの利用者が、店の業務のほとんどを担っている。

 「安心・安全なものを食べていただきたい」との考えから、食材や調味料にこだわり、そばは、上川町産石臼挽きそば粉の十割。つゆは、昆布や芽昆布、鰹節、宗田節でとったダシに、しょうゆと二種類のみりんで仕込んだ「かえし」を合わせている。

 メニューは、もり(五百円)、かけ(五百五十円)、ぶっかけ(六百五十円)、とろろ(七百円)、カレー(八百五十円)天もり(千二百円)など単品のほか、かつ丼やイカゲソ丼、バラ天丼などの小丼とのセット(八百~八百五十円)なども用意する。

 そして、もう一つの看板メニューのたい焼きは、「つぶあん」「しろあん」「クリーム」の三種類(各百七十円)。つぶあんは旭川産のしゅまり小豆、しろあんは北見産の白花豆、カスタードクリームは道産の卵や牛乳を使い、すべて店で手作りしている。

 同店の看板メニューが一度に食べられる「すみれセット(もり)」(八百円)を注文。早速、そばをひと口いただいてみると、つゆは甘味の少ない、私好みの味だ。のど越しの良いそばは、十割ならではの味が楽しめ、つゆとの相性も抜群。あっという間に完食だった。

 たい焼き(つぶあん)は、パリッとした食感の薄い皮の中に、あんこが頭からしっぽまでぎっしり。甘さ控えめであっさりしているので、飽きずに食べ進められる。

 そこに、コーヒーなどのドリンクが付き、価格以上に満足できる内容だった。

 嶋宮さんは「店名にしている、菫の花言葉は『小さな幸せ』です。私たちが作ったものを食べていただくことで、お客さんにちょっとでも幸せな気持ちになってもらえたら嬉しいですね」と語る。

 営業時間は午前十一時から午後三時まで(二時半ラストオーダー)。土・日曜日、祝日定休。(東寛樹)

 

 

ケロコメモ

 そばとたい焼き。しょっぱいのと甘いの。これが美味しい。
 そばは全て上川町産石臼挽の十割。このそばとたい焼きの組み合わせが最高。 たい焼きは店内で食べると、熱々の羽つきで、つぶあん、白あん、クリームの3種類。つぶあんは、しゅまり小豆を使っていて、甘さ控えめ。好きなたい焼きとコーヒーのセットは350円とリーズナブル。 行くつもりがなくても、前を通ると、つい入ってしまう。お土産に持って行くと、大変喜ばれます。

2025年04月29日号掲載