豊岡12ノ6・TEL35―4313

 ラーメンと一口に言っても、地方や店によって味は千差万別。では、ご当地の旭川ラーメンはなんと表現すればよいのだろう。ネットでウキペディアを見てみると、こうある。

 ――スープは、魚介類と豚骨、鶏ガラ、野菜でだしをとったWスープ。スープにラードを入れることが特徴のひとつで、麺は縮れ麺の濃厚、こってりとしたラーメンが主流。

 まあ、店によって大なり小なり違うのだけれど、この店のラーメンはその旭川ラーメンとは一線を画している。

 しょうゆ、白しょうゆ、しおの三種ある「煮干しラーメン」(各七百五十円)はまず、スープに化学調味料を一切使っていないのがうれしい。国産の数種類の煮干しで、丁寧にだしをとったアッサリ系だ。そして、麺は旭川では珍しいストレート麺。

 一番人気という白しょうゆの丼を口元に運ぶと、ぷーんと煮干しのすばらしい香りが立ち上がる。具にも工夫があり、刻みタマネギ、水菜に加えて岩のりがたっぷり乗っている。この岩のりとスープの相性は抜群。一度食べると、病み付きになるファンが多いというのも納得だ。

 「煮干しは、旨み成分のイノシン酸のかたまり。醤油はグルタミン酸が豊富。添加物など入れる必要がありません」と、店主の石井健太さん(35)。

 石井さんは、二〇一五年末に横浜からUターンし、奥さんの美穂さん(32)とともに開業した。師匠は、横浜で通っていた小さなラーメン店の店主。ここはWスープだったが、あえて好きな煮干しだけにこだわることにしたそうだ。

 もっとも、煮干しだけはちょっと苦手という人のために、煮干しと鶏ガラのWスープの「濃厚煮干し醤油ラーメン」(七百五十円)も用意している。もっとお腹を膨らませたいという人には、ラーメンスープに入れて雑炊にしてもおいしい「いわし削り節ミニたまごかけごはん」(二百五十円)などのサブメニューもそろっている。ラーメン好きなら、ぜひ一度は足を運んでほしい。

 不定休。営業時間は午前十一時~午後三時、午後五時~同八時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 年中ダイエットと言っているけど、今回は私のパーティーが近いので本気。大好きなラーメンもしばらく食べていない。でも、ラーメンがどうしても食べたくなる。そこで思い出したのが「よつ葉」。化学調味料不使用の煮干しラーメンで、これならいいかな。

 私、煮干しスープはあまり好きではない。でも、食べてびっくり。おいしい煮干しの風味が、最大限に生かされている。ごはんも食べたい。このスープに入れたら…でも我慢。パーティーが終わるのが待ち遠しい。

2019年04月09日号掲載