東光11ノ1・TEL31―3883

 コロナ禍に振り回されるおかげで、春をめでる間もなく夏になった。夏と言えば、やっぱりかき氷の出番。暑い本州で育った子どものころは、ソフトよりもアイスよりも何よりかき氷だった。しかし、ここの「ふわふわかき氷」は、僕の知っているものとは別格のおいしさらしい。イチゴ練乳、抹茶あずき、マンゴーなどが入ったトロピカル、キャラメル、黒蜜きなこが五百円。イチゴ、サクランボ、ラズベリー、カシスなど七種の果物がぜいたくに入ったMIXベリーが六百五十円。特に週末は、これらを求める客で大賑わいらしい。

 MIXに続いて人気という定番のイチゴ練乳を、さっそく作ってもらった。見た目は普通。ところが、スプーンで口に入れた途端、驚いた。一体、これは何なのだ。名前の通り、ふわふわ。じゃりじゃり感がまったくなく、まるで淡雪のよう。口の中で静かに溶けていく…。

 このかき氷を二代目の佐藤雄大さん(46)が発売したのは、二〇一五年から。創業四十年を超える老舗だが、夏場に売り上げが落ちるのが悩みだった。そんなとき、台湾でユニークなかき氷が大流行し、日本にも上陸したというテレビニュースを見た。これだ、と三カ月試行錯誤し、自信作が完成したという。

秘訣は、台湾から輸入しているミルク味の氷と、特製氷削り器。そして、氷の温度加減。硬すぎても柔らかすぎてもダメで、大変微妙だそう。かかるソースは、どれも佐藤さんのオリジナルだ。

 店内では、やはり人気の旭川生チーズタルト(二百二十円)、旭川銘菓男爵いも(百円)、栗どらやき(百四十円)など、目移りしそうな和洋の菓子がそろっている。こちらも、見逃せない。かき氷の販売は八月末まで。暑い日に、ぜひ一度味わってみてはいかが。

 定休日は水曜日。営業時間は午前九時三十分~午後六時三十分。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 暑い日が続くと、どうしても冷たいものばかり食べてしまう。

 そういえば今シーズン、大好きなかき氷を食べていなかった。ステイホームが多いからだろうか。

 そんな時、すごいかき氷があると教えてもらった。すごいといっても、盛りがいいとか、トッピングが豪華とか、そんなものだろうと思っていた。

 ところが、予想外。かき氷だけど、かき氷じゃない。ふわふわで、中に少し、かたまりがあるのも芸が細かい。

 店内には、ほかにも食べたいお菓子がたくさんある。通わなくては。

2020年07月21日号掲載