4ノ18・TEL31-9319

 店頭には、お茶とお団子ののぼり。そして、かき氷の旗が風に翻っている。昔ながらの面影を残した店が頑張っているのには、ホッとするとともに応援したくなる。

 創業は昭和十二年。八十四年の歴史を持つ老舗茶舗だ。三代目となる店主は岩本光弘さん(47)。若い時から店を手伝い、三年前に店を継いだ。団子の販売を始めたのは、今年四月から。それまで、本業の傍ら様々なイベントでタピオカドリンクなどの飲料を販売していたが、コロナ禍でイベントは次々と中止に。それならば、と思い切って店の事務所を改装し、ドリンクと団子のコーナーを併設したという。「考えてみたら、お茶にお団子はぴったりですからね」と岩本さん。

 販売している団子は、一番人気のキッコーニホンの醤油を加えた「みたらし」、女性に大人気の「ごま」、旭川ヤマムロ海苔の刻み海苔を使った「いそべ」、「あんこ」、「しろあん」、京都の抹茶を使った「抹茶あん」、なにもついていない「ぼうず」、「ずんだ」の八種類(各一本百十円)。

すべて、団子の本場・新潟のメーカーから仕入れている。こだわりはないといいながらも、地元の味を少し加えているところがにくい。

 いただいてみたら、どれも甘さ控えめであっさりとした美味しさ。「ちょっとだけ形を変え、安価で何回も買ってもらえる団子を目指しています」と岩本さん。でも、その岩本さんが驚いたのは、団子を始めてから急に若い客が増えたこと。「こんなにも団子が好きな若い人は多いんですね。用意している間にお茶の製品も手に取ってくれ、こんなにうれしいことはない」と笑顔だ。

 本業のお茶の方は、どれも静岡茶をベースに、いろいろな茶をブレンドしたオリジナル。このほか、タピオカミルク(四百円)、抹茶ラテ(三百五十円)、いちごミルク白玉かき氷(三百五十円)なども楽しめる。また、全国各地の珍しいお茶請け菓子も販売している。最近のお茶屋さんは楽しい。

 定休日は日、祝日。営業時間は午前十時~午後六時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 4条通りにあるお店。通りすがりに見てはいたけれど、行ったことはなかった。そこが、私の大好きな串団子を始めたと聞いて行ってみた。

 迷っていると、串団子5種類が1セットになった「茶太朗セット」というのがあった。茶太朗というのは、ご主人のニックネームらしい。海苔がたっぷりかかった「いそべ」や、何もついていない「ぼうず」もある。こんなの、初めて見たかもしれない。

 お団子にはやっぱり美味しいお茶。お茶屋さんだもの。極上のお茶でおやつタイム…最高です!

2021年07月27日号掲載