神楽岡14ノ4
TEL66-1780

 赤茶色の建物と、緑の窓枠が素敵な「食べ処 いちりん庵」にお邪魔しました。駐車場にタクシーが停まっていたので「ここは穴場かもっ!」と期待に胸が弾みます。

 以前、陶器販売と喫茶をしていた「かたくり」から今の店名になって三年目。店内は、コーヒーを飲みながらお喋りをする主婦、仕事の休憩に一服、ランチを楽しむ人など様々です。

 写真のメニューは「日替わりランチ」(七百五十円)。オーナーの三浦美鈴さん(59)が作る家庭料理を中心としたメニューは、バランスが良く美味しいです。思わず「具沢山で贅沢ですね~」と声をあげてしまった豚汁は、レンコン、なめこ、ジャガイモ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、カボチャが入っています。セロリの漬物に、キュウリにキムチが挟まった一品、三升漬がのった豆腐、サクサクパリパリの春巻き、コロッケ、鮭。どれを食べても美味しく、ゆっくり時間をかけて完食できます。

 夜は、お酒におつまみが三品付く「いちりんセット」(千五百円)で、晩酌ができます。「女性が、夜にお友達を誘ってお茶をしたりお酒を飲むところが少ないでしょ」と三浦さん。定期的に店内で、ライブも行われます。プロアマ問わず、お客さんと一緒になって楽しめます。

 営業時間は昼が午前十一時から四時まで、休憩を挟み五時半から八時まで。日曜、祭日定休。

(取材・那須日奈子)

ケロコからひとこと

 ここのランチは、驚きます。真面目で、正しく、料理好きの主婦が作ったランチという感じ。でも普通の家なら夕食。それも豪華な――。

 私が行った日は、ゆり根のコロッケ。初めて食べたけれど美味しかった。オニオングラタンがお膳の端に遠慮がちにあったのですが、これが本格的な味。肉巻き卵は思わず作り方を聞きました。

 ここのママさんは本当に丁寧にレシピを教えてくれます。だからこの日の料理のレシピを全部聞いてきました。

 美味しくてボリュームがあって七百五十円は安い! 心遣いも良くって――。今日のランチは何だろうと、気になってしまいます。

2010年01月26日号掲載