高砂台5ノ13ノ10

 このところ、春光台、豊岡と住宅街の一軒屋の取材が続いている。どこも、車やスマホのナビがなければ、たどり着けないようなところばかり。ここも、極め付きのわからなさ。昔なら、とてもあり得ない立地だ。ネットの情報とナビの普及で、営業が可能になったのかも知れない。

店主の置田義浩さん(36)が、住宅を一人でこつこつと改装して、昨年九月にオープンさせた。自然に囲まれ、窓からは白樺やトドマツの林が見える。店内には、ゆったりと過ごせそうなソファが並ぶ。

   「飲食店は(客の)回転が命といいますが、うちはあまり回転しない店を目指しています」と置田さん。筆者も、取材を終えたあと二時間も置田さんとおしゃべりしながら過ごしてしまった。

メニューにあるのは、置田さん夫妻が米国など海外で暮らしているうち、美味しいと思ったもの。コーヒーは選りすぐりの豆を常時五、六種(各四百円)用意している。軽食でお勧めがスムージーボウル。四種(各六百九十円)あって、アサイーボウルを食べてみた。

アサイーとは、ブラジル原産の栄養価が高いスーパーフルーツだそうだ。これを牛乳とバナナでアイスクリーム状にした上に、ストロベリー、ブルーベリー、チアシード、そして手作りのグラノーラが山盛り状態。おいしい超健康食だ。

 置田さん、実は牧師でもある。旭川高専を卒業した後、古着販売業を経て、米国テキサス州の大学に留学して聖書を学んだ。今は店主兼牧師兼古着販売業者。趣味もオートバイ、サーフィン、ファッションと多彩だ。店内は、日曜日には教会になる。店の名前も、聖書のメッセージ「光は人の見えるところに」からとった。

でも、まったく宗教臭さを感じさせない型破りの店と店主。とにかく面白い。営業は、火~木曜日が午前十一時~午後七時、金曜日が午前十一時~午後九時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひところメモ

 ここは、サプライズの多いお店です。まず場所。ここに来なければ、おそらく絶対に通らない道。お店も古い一軒家。

よくある古民家風カフェだろうと思ったら、あらら。予想外の店内。そして、笑顔がさわやかなマスター。話しているうちに牧師さんだとわかった。日曜日には教会になるという。

メニューにスパムボウルがあった。あまり食べたことがないけど、これがとてもおいしい。そして、並んでいる焼き立てマフィンも。もう一度食べたい、話したい。魅力あるお店です。

2018年03月13日号掲載