春光4ノ8ノ10・TEL0120-53-3009

 おいしい寿司屋へ入ると、どうしてこんなに幸せになるのだろう。「ネタは、中心部の高級寿司店にはかないません。でも、(価格的にも)安心して食べていただける店だと思っています」。店主の杉山和浩さん(57)の心意気が伝わってくる。

 寿司は、並(税込千八十円)から特鮮おまかせ(三千四百五十六円)まで六種。特鮮は、本マグロのトロ、ボタンエビ、ズワイガニ、イクラ、ウニなど、なんと十五貫もがズラリ。ガッツリと色々な鮨を食べたい、でもお好みでは高くつくし…、という人には夢のようなメニューだ。カップルでこれ一つを注文する人もいるとか。

ネタの中には、この店で大人気のアナゴも入っている。適度に甘さを抑えたたれが染みこんだシャリと、ふっくらとしたアナゴが絶妙に調和し、口に入れた途端においしさが広がる。このアナゴ、老舗鮮魚店から本州産を仕入れているが、焼かない日はないと言うほど。鮮魚店によると、市内で一番アナゴを使っている寿司店ではないかという。

 ケロコさんが言うように、うれしいのはランチメニューも豊富なこと。バラちらし(八百六十四円)から特鮮すし久ランチ(二千二百六十八円)まで、九種類もそろっている。女性に人気の花ちらし(千百八十八円)は、五目ちらしにアナゴと高菜をサンドした、まるでケーキのような一品。これも人気のよくばり丼(千四百四円)は、天丼と生ちらしを半々にした丼だ。

杉山さんは子どものころ、近所にあった忠和の寿司店の職人にあこがれ、中心部の老舗「寿司久」(現在廃業)で二十年間修業。二十二年前、のれん分けしてもらい開業した。寿司だけではなく、季節の一品料理も多彩。こんな居心地のいい店なら、ときどき通いたいな。

定休日は月曜日。営業時間は午前十一時三十分~午後二時(ランチ)、午後五時~同八時三十分。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 食事に行って大事なのは、おいしいか、が一番。でも、食べ始めるまでも大事。雰囲気、お店の人の接客。いくらおいしくても、無愛想だったりすると、おいしさが半減する。

ここは清潔で、お花や季節の小物をさりげなく飾っている。何よりもご夫婦の人柄がいい。

最近は〝回るお寿司〟によく行くので、回らないと少し緊張するけれど、料金もきちんとしているので、安心して食べられる。

夜ももちろんだが、主婦に人気なのはランチ。小鉢ひとつでも丁寧に作っているのが伝わってくる。

2018年04月24日号掲載