春光4ノ9ノ9・TEL090-8425-5539

 一口にラーメンと言うけれど、その味は地域や店などによって千差万別。その中でも、ここは何とも個性的だ。

 麺は、美瑛を中心とした道産小麦を使う。低加水の細ちじれ麺で、平麺っぽくつぶしたオリジナル形状にしている。スープは無化学調味料。大量の煮干しと利尻昆布を水出し、鳥や豚など動物系は一切加えない。また、ラードも使わず、代わりに米油の「スープまで飲み干してもらう、身体にも良いラーメン」を目指している。

 店主は後藤一弘さん(50)。若いころからラーメンを毎日食べ歩いていたほどのラーメン党で、行き着いたのが煮干し系。「今まで旭川にはなかったラーメンを」と、昨年六月に開店した。店名は「虹を見たときと同じ感動を」と名付けたそうだ。

 いただいたのは、基本の醤油煮干し(七百円)。スープを一口。煮干し臭さはほとんどなく、豊かな滋味が口の中に広がる。細麺との相性もぴったりだ。続いて、いち押しというトマソバ(八百円)。スープは、トマトジュースやピューレ、煮干しスープを合わせ、上にとろけるチーズがトッピングされている。こんなのは食べたことがない。コクがありながら、さっぱり。癖になる味かも。

 べじソバ(七百五十円)もすごい。煮干しスープに、なんとニンジンスープを合わせている。そして、野菜の量もトマト、サツマイモ、豆苗、ブロッコリーなど八、九種類が計三百㌘と半端ではない。どの味も、後藤さんが一人で創意工夫してきた。

 ところがこの店、諸般の事情から遅くとも年末までに閉店するとか。何とも、もったいない。熱烈なファンからは、ぜひ再開を願う声が寄せられているそうで、僕も同感。とりあえず、食べるなら今のうち。十三日から十六日までは「あさひかわ新聞見ました」の一言で、トマソバを百円引きにしてくれる。

 不定休。営業時間は午前十一時~午後三時、五時~八時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 まるでカフェのような名前。「煮干しラーメン」と「べじソバ」が評判だという。ラーメンは好きだけど、魚のスープは苦手。煮干しもあまり好きじゃない…。

 ところがこの煮干しラーメン、すごく好き。なんなんだ、この透明感があってスッキリし、深みのあるおいしさは!まだ、口の中に旨みが残っている。

 そしてべじソバ。よく考えたものだ。ラーメンにニンジンジュースとは。それにしても、ラーメンにこんなに野菜がのってるなんてすごい。あーあ、また食べたくなってきた。

2018年11月13日号掲載