豊岡3ノ2ノ2・TEL74―5377

 「鉄板ダイニング」なんて聞くと、高級ホテル内の店をついイメージしてしまう。訪ねてみると、やはり外観はどことなく秘密っぽいお洒落な雰囲気。ところが、中に入ってひと安心。ハンバーグをメインにした普通のレストランだった。

 「名前を付け間違えたかも。もっと高級店だと思って入ったというお客もいるんですよね」と、一人で店を切り盛りする小林託也さん(40)が苦笑いする。この店を開店したのは四年前。若いころ、東京の鉄板焼きの店で修業したことがあり、レストランをやるならこれと決めていたそうだ。

 ランチメニューのメインは、和風、デミグラス、てりやきの三種十二種類(九百~千円)のハンバーグ。合いびきの牛肉は鷹栖町産の子牛を町産の餌で育てた鷹栖牛。大地を自由に歩いてストレスがないため、臭みが少なくて柔らかなのだという。豚肉は、上富良野町産の地養豚。地養素という特別な飼料と海藻、ヨモギなどを食べて育てるそうだ。スペインの高級豚イベリコは、ドングリの実を食べさせることで有名だが、この飼料の中にもドングリの木の成分が凝縮して入っているとか。

 早速、和風ハンバーグをいただいた。牛豚の肉のうま味が、じわっと口中に広がる。これはおいしい。大根とタマネギをミキサーした醤油味のソースもあっさりして、相性抜群だ。

 続いて、お薦めというユッケジャンラーメン(九百円)。見るからに辛そう。ところが、スープをすすると、辛さ控えめで深い旨みが際立っている。これに、麺と白髪ネギ、白菜、ニラなどの野菜がからまって、箸が止まらない。

 二日間かけて煮込んだ牛すじカレー(七百五十円)、鷹栖牛のモモ肉ステーキ(千百円)などもあり、次回はぜひチャレンジしたい。

 定休日は日、月曜日。営業時間はランチが午前十一時三十分~午後三時、ディナーが午後六時~午前一時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 このお店の前は何度も通っているのに、気付かなかった。新しくできたお店だと思って行ったら、もう4年も前にオープンしたそうだ。

 鉄板ダイニングで、まずご飯をほめるのも変だけど、ご飯がおいしい店は他のものもおいしい。毎朝、土鍋で炊いているというご飯は極上だ。

 ランチタイムだったから和風ハンバーグを注文。このハンバーグ、鷹栖牛と地養豚の合いびきにこだわっている。びっくりするくらい、おいしかった。味つけも私好み。友達が食べた帯広風豚丼の味噌味も絶品だった。

2020年01月21日号掲載