6ノ7右1・TEL85―6911

 ジャズと蕎麦(そば)と、自由律俳句の尾崎放哉(ほうさい)…、ムムム。オフィスビル一階のドアを開いて店内に足を踏み入れると、グランドピアノがドーン。この店をつくった前オーナーの趣味と意志を受け継いで、ジャズ・ポップコーラスの女性グループ「ファンタスティックス」のメンバーが店を引き継いだのは二〇一五年春。間もなく丸五年になる。

 昼は蕎麦を中心にしたランチ、夜は年間四十回ほど開くジャズライブと予約の宴会やパーティーだけの営業だ。

 蕎麦の担当は、舩橋裕幸さん(67)。メンバーの妻・真由美さんに引っ張り込まれた。本業は保険の代理店。自身が大の蕎麦好きで、三十年ほど前、通っていた蕎麦屋が閉店するというので、店主が蕎麦を打つところをビデオに収め、その映像を見ながら蕎麦を打ち始めた。

 その趣味が、現在の店に活かされることになる。手ごね、手延べ、機械切りで、更科と二八の田舎蕎麦の二種類。一日四十食限定だ。土曜日だけ、十割蕎麦も出している。

 つゆを担当するのは、長尾昌子さん。利尻昆布、二種類の鰹節と宗田節を使った、ちょっと甘めの贅沢なつゆ。長尾さんは、ライブの企画も含めて店の大黒柱だ。もう一人、林美加子さんの四人で店を運営している。

 ランチメニューは、蕎麦とミニ丼のセットが中心。ミニ野菜天丼、卵かけご飯、ミニ豚丼のいずれかと、もり(冷・八百円)か、かけ(温・八百三十円)。曜日替わりの、親子丼(月・木)、かき揚げ丼(火)、彩り丼(水)、ソースかつ丼(金)のセットも人気だ。

 もちろん、もり(五百五十円)、とろろ(八百円)、天ざる(千百円)、カレー(八百八十円)など単品の蕎麦メニューも充実している。

 待ち遠しいのは初夏から秋にかけての時季。山歩きや野菜作りが趣味の舩橋さんが収穫した、竹の子、キノコ、トマト、ピーマン…、採れたての食材を使ったメニューが登場する。心待ちにしている常連も多いそうだ。

 別室のギャラリーでの、夜の宴会やパーティーも好評だ。「三千五百円からお受けします。ご相談を」と長尾さん。

 お休みは日曜日と祝祭日。営業時間は午前十一時半~午後二時半ラストオーダー。(工藤稔・あさひかわ新聞)

ケロコのひとことメモ

 「りべーる」に出勤する時、いつもこのお店の前を通ります。帰り道の夕方、たまにライブの準備をしていて、立ち止まってのぞきます。お蕎麦屋さんでライブ。お店の雰囲気もステキで、ライブがとても似合います。

 前に行った時は、お蕎麦を食べてライブを楽しんで…。落語をやるお蕎麦屋さんはあるけれど、ジャズなどを聴けるお蕎麦屋さんは珍しいのでは。

 ランチタイムは1人で来ている人も結構多くて、蕎麦好きに浸透しているようです。「今日はお蕎麦だけ食べるぞ」と決めて行っても、メニューを見ると、ミニ丼セットにしてしまう。皆さんもどうぞ!

2020年02月25日号掲載