東旭川北1ノ5ノ1・TEL36-6776

 動物園通りには、なぜか美味しいそば屋が多い。通りからちょっとはずれた店も含めると、十軒以上はあるのではないだろうか。ここは、動物園に近い東旭川に三年前にオープンした店。もともとは豊岡十三ノ五に三十年近く店を構えていた老舗だが、事情があって現在地に移転した。

 道産小麦に手打ちというそば屋は増えているが、ちょっと価格が高いのが玉にきず。しかし、ここは美味しさ、安さ、量の三拍子そろった庶民の味方。温そばは、天ぷら(千円)、かしわ(七百五十円)、かけ(五百円)など二十種類。カレーカツ(千円)、とんかつ(九百円)などの変わり種もある。冷そばは、天ざる(千三百円)、五目(七百五十円)、ぶっかけ(六百円)など十二種。さらに、人気のセットメニューも天丼(千百円)、生姜焼き(七百五十円)など七種そろっている。

 その中から、カツ丼セット(八百五十円)をいただいた。まずは、もりそば。香りがよく、そばはコシがある。つゆも、くどくなくてバランスが良く、おいしい。「カナダ産そば粉と小麦を七・三で手打ちしています。つゆは、旨味がすごく出る根昆布と鰹節ブレンド、煮干し」と、店主の吉倉久直さん(71)。

 実は吉倉さん、若いころに東光で職人を雇ってそば店を開いていたが、そば嫌い。原因は、職人が使っていた味の素、ハイミーなどにあったらしい。その後、独学でそば打ちを学び、化学調味料一切なしの納得がいく、今の味に行き着いたのだとか。

 さて、今度はカツ丼。フワフワの卵にとじられたサクサクのカツは、道産豚のロースで、やわらかく、ホッとするような美味しさだった。

 コロナ禍のいま、店ではテイクアウトにも力を入れている。大人気なのは、特製生姜焼き弁当(五百円)。丼物は、持ち帰りの場合は全品百円引きというのもうれしい。定休日は水曜日。営業時間は午前十一時~午後七時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 男性客が多い…ということは、安くてボリュームがあるんだ。メニューは迷って親子丼セットにしてみた。

 おそば屋さんの親子丼が美味しくて、最近はまっている。そばのかえしを使っているからなのかな。しっかり味がついて、適度に甘じょっぱくて、ごはんが進む進む。鶏肉も大きくて柔らかい。

 これだけでお腹いっぱいになるけれど、おそばもついてくる。このおそば、風味が良くておいしい。親子丼セットは600円。リピート決定だ。

2021年04月20日号掲載