比布町基線3号・TEL76-4919

 店主の話を聞いていて、これはすごい店だと思うことがたまにある。ここは、その一つ。食べ物へのこだわりが半端ではない。

 東光三の七で飲食店「食道楽」を経営する架田勇人さん(47)が、二十周年を迎えたのを機に「他では食べられない新しい味を、食べて喜んでもらいたい」と、二月に開店した。もともとはラーメン店だった建物を趣味のDIYで改装し、お洒落な空間に変身させた。

 食事のメニューは現在、たった五種類ほどだけど、その中身がすごい。まずは、町の名を冠した「ぴっぷ焼き」。クレープとお焼きをミックスしたようなオリジナル。生地は、香りが素晴らしい小麦粉、モチモチ感を出すタピオカ粉、旨味が増すアーモンド粉、そして上品な甘みを感じさせる和三盆か黒糖で焼き上げる。この生地で、それぞれエッグマヨ、チーズベーコン、カスタードアーモンドなど十種類ほどを挟む。具材ごとに一枚三百円から三百五十円ほど。おいしい上に手軽で、お腹も膨れる。

 次に焼きそば。太麺、細麺があり、価格はいずれも六百円。麺は、あらかじめ鳥一羽と野菜でとったスープで焼き上げ、和寒の雪の下キャベツ、食べ比べた結果一番おいしかったという小樽産の赤ウインナー、一番食べ応えがあるという厚さ三㍉の道産豚肉などと炒める。これを塩とアーモンド、ラー油など好みのオリジナル調味料につけて食べるというスタイルで、一味も二味も違った焼きそばなのだ。

 魯山人の料理法を真似たという「ぴっぷにくめし」(八百円)、本格ガーリックトースト(五百円)も、こだわりが詰まった一品だ。

 架田さんは、とにかく食べ歩きが大好きで、道内で訪れた店は数えきれないほど。料理にも情熱を燃やし、暇なときは料理のことばかり考えているという。個性あふれる食器は、店の一部屋で手作りしており、これを見るのも楽しい。不定休。営業時間は午前十一時~午後五時(なくなり次第閉店)。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 ここのマスターはすごい。とにかく食べることが大好き。美味しいものを食べるためなら、手間暇を惜しまない。

 おすすめは太麺の焼きそば。道産小麦の手打ちで、スープで焼き上げている。付いているソースは途中でかけると味わいが変わる。

 もう一つは、ぴっぷ焼き。クレープのもっとしっかりしたような生地で、もっちもちでおいしい。中に果物などを入れるとおやつに、チーズやベーコンを入れると主食になる。

 マスターが探して見つけたお菓子も売っているので、とにかく行ってみて。

2021年04月27日号掲載