八月二十六日号の本欄に書いた「簡単で、メチャメチャ美味しい漬け物」について、予想外の反響をいただいた。中には、「目の前のまな板の上に、ナスビとキュウリが乗ってるんですが、もう少し詳しく教えて下さいな」との電話までいただいて。農家の読者からは「私の醤油漬に近いです」とのお手紙をいただいた。紹介する。

「野菜を食べやすいサイズに切って、ごちゃまぜに入れて、醤油1に日本酒1だけ。塩もみもしません。一日食べて減ったら、ボールにあけて、底にまた野菜を入れて、ボールに取ったものを上にかぶせて、その繰り返し。一週間もして、いやになったら醤油と酒を入れ替えます。今まで、こうして食べた野菜は、キュウリ、ナス、キャベツ、ハクサイ、大根、ニンジン、タマネギ、青トマト、摘果メロン、ニンニク、ピーマン。漬け物を食べるのをやめた人間の生野菜いいかげん食です」

んー、キャベツにタマネギ、ニンニクまでもか…。試してみよう。

前号の「買物公園を自転車で走れるショッピングゾーンに」について、読者から届いた声も加えて、もう少し書く。

まず、警察の見解から。旭川中央署交通第一課の担当者は、「歩行者専用道ですから、自転車は押して歩かなければなりません。ただ、現状を見れば、指導員の前だけは自転車から降りて、通りすぎればまた乗って走る、という人がほとんどです。市役所からは、『取締りをしてほしい』という要請が来ていますが、警察による取締りは非現実的だと思います。その前に、市や関係機関による徹底した啓蒙が必要でしょう。ただ、現状を考えれば、我々警察のスタンスは、歩行者専用道から、歩行者・自転車道路にしたらいかが? という考えです。道路の管理者は市ですから、市が判断することですが…。自転車が走行できるようにするためには、地元商店街の方たちや多くの市民の意見を聞き、公安委員会などとの調整が必要になります。当然、ルールづくり、マナーの啓蒙が不可欠ですが、それは取り組み方次第でしょう」と話す。

買物公園に限らないが、市は自転車の通行や放置自転車などについて「旭川市自転車駐車場基本計画策定協議会」なるものを設置して検討を進めている。委員は、公募三人を含む二十七人。平成十九年五月に第一回、今年八月までに四回の会議を開いている。その議事録に目を通すと、どうもこの協議会は、買物公園は歩行者専用道であり続けるべし、という姿勢のように読み取れる。まぁ、「駐輪場」の問題を検討する協議会だから、現状の歩行者専用道を歩行者・自転車共用にするかどうかという問題は、管轄外という認識なのかもしれないが。

「人優先」「人間復権」――自動車が急速に普及し、「交通戦争」などという言葉が流行った昭和四十年代、自動車はおろか自転車まで通行禁止にした、日本初の歩行者天国は、まさしく画期的なアイデアだった。それを実現した当時の五十嵐市長をリーダーとする旭川市役所も、商店街も、経済界も、先駆的な発想を持ち、驚くほどの説得力、実行力を有していたのは間違いない。ただ、それから三十六年、通りを歩く人は、皮肉なことにまばらだ。

先週号にも書いたが、健康目的やエコ志向、お手軽、カッコイイなどなど、様々な理由で自転車に乗る人は、ガソリン高騰の折から、目に見えて増えている。その二酸化炭素排出ゼロの交通手段の利用者に「来るな!」と言われていると感じさせるなんて、商売の根本を見失っている、と言われても仕方ないのではないか。

買物公園で店を営む商店主の一人は、「現実に目の悪い人が自転車にぶつかってけがをする事故があって、規制しなければならないという空気が強くなったんだと思う。ただ、私たち商店にしてみれば、最近のエコブームを考えても、自転車の走行は認めてほしい。来店するお客さんにとって、買物公園を自転車で走れないというのは、ものすごく不便。もちろん、駐輪場を整備する、ルールを作る、マナーを啓蒙する、という取り組みを商店街としても一生懸命にやるという前提で、自転車の乗り入れを許可する方向で考えるべきです」と話す。

これだけは言える。きれいさっぱり、無機質に整備され、「安心・安全」を売りにしたところで、人が歩かなければ、集まらなければ、何の意味もない。ヒトって、ちょっと危うそうで、いささか猥雑で、何やらごちゃごちゃしている所に、足を向けたくなるものじゃない。通行人が群れるようになれば、自転車もアホみたいなスピードは出せないんじゃないの? 「転ばぬ先の杖」ならぬ、「客いない通りの規制強化」なんて、笑い話にもなりゃしない――。

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