前号の小欄の末尾に、安倍首相のめんこ、稲田朋美防衛相の発言について「バカにするのも、いい加減にしろよ」と書いた。読者から、メールが届いた。「嘱託職員、六十四歳」とある。さわりを紹介しよう。

 ――今週号の「直言」で、貴方は稲田大臣が都議会議員選挙の応援演説で、「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言し、官房長官に指示されて「誤解を招きかねないから撤回する」と述べたことに異議を唱えています。小生が常々感じている違和感をズバリと言っていただき、胸がスーッとしたので、メールしました。

 まだあります。都議選での自民党の歴史的大敗北を受けて、新聞やテレビの報道によれば、安倍首相が「都民の厳しい声を謙虚に受け止め、深く反省したい」と述べたそうです。この「反省したい」って言葉、おかしくありません? 反省するのは、周りの他人ではなく、ご本人です。「反省します」でなければ変でしょう。それとも、後から「反省したいと考えたけど、実は反省できなかった」と釈明する場面があるかも知れないと「逃げ」を打っているのでしょうか。

 同じ言葉を貴方が先週取り上げた稲田大臣も、選挙の結果について語る場面で使っています。「大変厳しい結果だった。この結果について厳粛に受け止めたい」。これも同じですね。「厳粛に受け止めたいと考えて努力したのだが、できなかった」と後に弁解することがあるかも知れないと、あらかじめ予防線を張っている印象を受け、非常に違和感があります。

 これからも健筆を期待します。

 もう一通、都議選が行われた二日夜にいただいたメール。開票が行われている時間帯。その一部を紹介する。

 ――今、都議選の結果が出つつあるようですが、いくら自民が減ったところで、それと本質的に何も変わらない、都民ファーストなる者たちと、無節操に、それにすり寄って、生き延びようとするだけの公明党が勝っても、何も変わりゃしませんよ。

 そして民進党を離党してまで、勝ち馬に迎合しようとする輩の醜悪さには、虫唾が走ります。

 それにつけても、選ぶ側の都民って、こんなにも簡単に都民〝ファースト〟なんていう、言葉の目くらましに引っかかってしまうものなのでしょうかね? 何が〝ファースト〟だよ。ああ、やだやだ。

 枕はここまで。さて、右の記事にある通り、旭川市の新市庁舎の設計者が決まった。二〇一九年五月までに基本設計、実施設計を終えて、五年後の二〇二二年春までに完工する見込みだという。設計委託費は約二億四千八百万円。加えて総工費が百十億円、最低でもこれだけかかる。

(工藤 稔)

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