今秋には七十歳になる。そのせいもあるのだろう、このところ「やる気」の減退に我ながら困惑している。もちろん、八十歳を過ぎても、バリバリ仕事をして、意気盛んという先輩もいらっしゃる。身近に。

 夕方、仕事を早々に終えて帰宅し、畑をいじったり、家人と料理を作ったり、名探偵ポアロやミス・マープルのビデオを一緒に見たり…、そんな生活が一年半も続き、習慣化している。外に出る機会が劇的に減って刺激がないから、アンテナが錆付き、感覚が鈍って来ているのかな、という気もする。会社の売り上げがジワジワ減っているのも、コロナだから…で言い訳し自分を納得させてしまう、そんな感じもある。

 外で他人と飲食しない日常が当たり前になって、たまーに会議が二夜も続くと、「二日続けてかよ…」と泣き言を言いたくなる。ダメだな、と思いながら、それで何事もなく時間が過ぎるなら、それはそれで良いんじゃないの、と開き直りたくなる。

 「新型コロナ」がある程度収束した時、「社会は」ではなく、「私は」どうなっているのだろう、そんな思いに駆られる今日この頃です。枕はここまで。

 旭川で東京オリンピックの聖火リレーのイベントが行われるなんて、知らなかった。おそらく報道もされなかった、と思う。五月十六日に全道に緊急事態宣言が発令された後の十八日だったか十九日だったか、三条通を車で走っていて、見慣れない立て看板があるのに気付いた。「六月十四日に買物公園で聖火リレーを開催するから、午前十時半から午後十二時二十分まで交通規制を行う。注意しなさい」との“お上のお触れ”だった。

 一週間ほど後の五月二十六日、緊急事態宣言が六月二十日まで延長されそうだ、と各紙が報道した。同日付北海道新聞は一面で、「聖火 公道実施せず 道方針」の見出しで、六月十三、十四日に予定されている聖火リレーの公道での実施を中止する方針を固めた、と報じた。記事には、「道内の聖火リレーは約二百人が札幌市や胆振管内厚真町など18市町を走る予定だった」とある。旭川の名はなかった。

 市の観光スポーツ交流部に取材した。担当者の話を要約すると。

 ――決して恨み言ではないが、私たちも詳しいことは分からない。聖火リレーは、東京の組織委員会が主催して、都道府県が主管する、という形。立て看板の設置も道。先週、担当者からメールで「そろそろ、交通規制を告知する立て看板がつきます」と連絡があった。

 ――道の担当者を通じて組織委員会から「買物公園で聖火リレーを行いたい」とオファーがあり、八条の「手の噴水」をスタート地点に、駅前広場までの約一・一㌔のコースを提案した。道が募集した二人とスポンサー枠の合計七人が、走る予定だったと聞いている。道募集の一人は、五輪レスリング金メダルの選手だと聞いたが、あとの一人は知らない。

 ――当日は、駅前広場に移動式の観客席を設置して、密にならないようコロナ対策を講じて、自衛隊の音楽隊の演奏を予定していた。まだ、正式に聖火リレーを中止するという連絡はないが…。

(工藤 稔)

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