三十一日に衆院選の投開票が行われる。九年続いた安倍・菅政権への評価と、その傀儡・岸田政権への信任が問われる、ある意味で国民の暮らしや価値観を画する、エポックメイキング的な性格をもつ選挙と言える。ウソつき・お友達優遇政治を続けるのか、まともな政治に戻るのかを選択する選挙である。

 地方の小さなウィークリー紙ではあるが、いや、だからこそ、小欄は「少なくても、自民の補完勢力ではない野党が、自・公と伯仲する構図にせねば」と主張してきた。おのれの犯罪的行為を糊塗するために、検事総長の人事に介入するような、目を覆いたくなる反法治政治を許さないために、である。

 小欄で何度か取り上げた、「黒に極めて近い灰色の履歴」をお持ちの甘利明・自民党幹事長が衆院選公示前の十五日、ツイッターに次のような書き込みをしたと報じられている。

 ――衆議院が解散され、十九日より選挙戦に入ります。参議院選挙と異なり衆議院選挙は勝った方が政権を取ります。よって政権選択選挙と言われます。立憲民主党はついに共産党と閣外協力を宣言しました。日本に初めて「(自公の)自由民主主義政権」か「共産主義(が参加する)政権」かの選択選挙になります

 分かっていて、意識的にこの手のデマを流す。政権を握る党のトップの座にいる者とも思えない、タチの悪い誹謗中傷の文言である。まあ、ネトウヨに喝采を浴びて相好を崩す、安倍晋三・元首相の子分だけのことはあるのだが。

 参考までに、中傷された共産党・志位和夫委員長の反論ツイートを。

 ――野党共通政策を読んでから言ってほしい。二十項目の共通政策の内容は、日本の政治に、立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻し、暮らしを良くしていくということだ。わが党独自の政策や理念を持ち込んだりはしない

 この春からグループハウスで暮らす九十六歳の母親は、先日のトリプル選挙と同様に、「これまで欠かさず投票に行ったから、もう休んでもいいしょ」と億劫がるだろうが、昼の刺身定食で釣って、車いすに乗せて、期日前投票に連れて行こう。小紙の読者は、棄権などあり得ないでしょうが、周りの“あやしい”方に呼びかけてください。「投票に行きましょうね」と。枕はここまで。

 小紙の記者が、「どうして読売と道新が、こんな記事を書けるのか、不思議だったんだよね」と頭を傾げた。十六日朝刊の読売と道新に載った、旭川市が新型コロナ対策として、二酸化炭素(CO2)濃度の測定センサーを設置した飲食店に奨励金を支給する、という記事だ。

 読売は、「金額や対象店舗など詳細を詰め、開会中の市議会定例会に三億円超の関連予算案を提出する」と予算額は曖昧(あいまい)。片や道新は、見出しに「コロナ対策14億円 今津市政初の補正予算」と打ち、「センサーを設置した店舗に奨励金二十万円の支援金を予定」と具体的な金額まで報じている。

(工藤 稔)

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