「20年度統計 4兆円過大か」――一月二十五日付朝日新聞の一面トップの見出しである。国交省が統計を改ざんしていた問題で、朝日の試算によると二〇二〇年度の統計が約四兆円過大になっていた疑いがある、というスクープだ。

 不正のあった「建設工事受注動態統計」はGDP算出の材料でもある基幹統計。そのデータが改ざんによって四兆円もカサ上げされたとすれば、これまでのGDPの数値は全く信用できなくなる。

 驚くのは、記事によれば一三~一九年度は二重計上したデータの量がさらに多く、カサ上げはもっと巨額になるのが確実だということだ。

 一三~一九年といえば、安倍晋三首相が政権を担った時期と重なる。「悪夢のような民主党政権」とこき下ろし、何かにつけて「安倍政権になってから名目GDPが五百兆円を超えた」「GDPが一割以上成長し、過去最高となった」などとアベノミクスを自画自賛した。一五年には、「二〇年頃には六百兆円にする」と、得意満面の“どや顔で”ブチ上げた。皆さん、覚えていますか?

 あれも、これも、ウソだった。「桜を見る会前夜祭」だけでも、国会で百十八回の虚偽答弁をしたと自ら認めているのと同様に、全てが虚構だったのだ。その嘘つき宰相が今も国会議員でいられて、キングメーカー然と振舞うことを許す国、国民。なんなんでしょうね。怒りを通り越して哀しくなるわ。枕はここまで。

 私の周囲にも、「三回目は打つのをやめる」と言う人が少なくない。「ちょっと恐くなった」と。病院に通う家人に「三回目は、やめた方がいいんじゃないか」と控えめに助言すると、意に反して素直に、「そうね」と同意した。新型コロナのワクチン接種の話である。

 一月二十五日付北海道新聞夕刊一面のトップ記事の見出しは、「接種後に死亡 進まぬ救済」「関連事例1400件 申請は40件のみ」「『資料不足』自治体で滞留か」。リードを引用しよう。

 ――新型コロナワクチン接種後、副反応との関連性が疑われる死亡事例は、昨年十二月までに医療機関などから千四百件超が報告された。一方、医療手当や死亡一時金が支払われる国の救済制度への申請は四十件余りにとどまっている。遺族や自治体への取材によると、死因が特定されていないことや、「資料が足りない」として申請が滞留する例が多いとみられ、救済認定は進んでいない。(引用終わり)

(工藤 稔)

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