宮下通7
TEL22-2912

五月頃から野菜売場で山菜を目にするようになります。山沿いの道路に自転車や自動車が停めてあったりすると、「おっ!この辺りは山菜が採れるんだ」と、なんだかうれしくなります。

エスタの向いにある旭川駅前ビルに開業三十年ほどになる「上島商店」があります。二代目の上嶋秀治さん(64)と奥さんの真佐枝さん(62)夫婦が切り盛りしています。お店は、仲通り側の右端の入口を入ってすぐです。

開店早々から新鮮な山菜を探しにどこからかお客さんが集まってきます。ご主人が山で採った立派なウド(四本・二百円)=写真=に、採ったその日に下処理したフキ(百グラム・百円)。フキはお店の奥で、一本一本奥さんが丁寧に茹でています。

「この時季はね、山菜ジュースでホラッ、手が真っ黒。お風呂に入っても落ちないんだよ。働き者の手でしょ」とお客さんと話しています。鮮やかな黄緑色のフキは見ているだけで美味しそう。

真っ赤で大きなトマトが四個で二百円。ちょっと小さめのニンジンがビニールに十五本程入って百円。今年はニンジンが高くて買うのを控えていたので迷わずか買いました。トマトも晩のサラダに。ゴツゴツと不細工な大根もあったりと、ちょっとスーパーの野菜売場とは違う品揃えが買い物心を誘います。新鮮で安いのでついつい買いすぎてしまいます。

パチパチパチとそろばんでお会計をして、クルッと新聞で包んでもらって。あぁ、八百屋さんはいいなぁ――。

営業時間は午前九時から午後七時まで。日曜定休。

(取材・佐藤日奈子)

 

ケロコからひとこと

いつも山のように漬物や山菜をくれるおばあちゃんが入院してしまった。今の季節はフキ、竹の子を食べたいのだが、もらえなくなってしまったので、色々探して見つけたお店です。本当は内緒にしておきたかったけれど、美味しい物は誰かに教えてあげたい性格なので、こっそり教えます。

フキの出始めから、ほぼ毎日我が家の食卓にはフキが上がっています。最近はこれに加えて竹の子も。

ここは仕事も丁寧です。そしてとても新鮮です。上島商店のおかげで、旬を思い切り楽しんでいます。

売り切れたら困るから本当はあまり沢山の人が来ないことを願いつつ…。でも、ちょっと覗いてみて下さい。

2009年06月02日号掲載