豊岡9ノ5 TEL32―5733
四条通と九条通を結ぶ斜めの通りに、新しい蕎麦屋さんがオープンしたのは昨年十一月二十三日。すっきりと落ち着いた店内には、ズラリとならぶ一升瓶、おでん鍋も見えます。
ご主人の田中寿則さん(61)が打つ蕎麦は三種類。真っ白な更科、殻ごと挽いた黒、甘皮と挽いた緑。注文時に好みの蕎麦を選びます。蕎麦粉は上川産です。
目移りしてしまうメニュー。迷いに迷って「鴨つくねせいろ」(九百五十円)を注文。自家製の鴨つくねが四つも浮かび、柚子の香りがひろがるつけ汁。オリジナルの器に盛られた美しい蕎麦は、細切りです。上品に添えられた柚子胡椒を好みで付けてズズッ。「美味しい!」。
細いので、スルスルっと口に入ってくる蕎麦ですが、ほどよい歯ごたえもある、絶妙のゆで加減。あれよあれよと言う間に完食です。
「お酒を飲むなら、小田原から届く板わさもおススメですよ」と田中さん。日本酒と焼酎のメニューだけで三十六種類。でも、この二倍は置いてあるそうです。
昼からお酒を飲みつつ、お蕎麦をすする、そんな贅沢な時間を過ごせます。もちろん、玉子焼き(四百五十円)、鰊甘露煮(五百五十円)、鶏もつ炒め(六百円)などの一品料理も充実しています。
お酒を飲む人だけ注文ができる「もり塩」(六百円)もぜひ。塩と胡椒で味わう蕎麦は格別です。
通う楽しみも。産地の違う蕎麦粉や、旬の食材を使った蕎麦が時折登場します。おでんにも季節の魚や貝類が加わったりと、大人の食通、酒飲みを唸らせそうですよ。
営業時間は午前十一時から午後三時。休憩を挟んで五時から十時まで。火曜、第三月曜定休。
(取材・那須日奈子)
ケロコのひとことメモ
美味しいお蕎麦屋が出来たと聞いて、やっと行けました。
お蕎麦は、黒、白、緑と選べるようになっています。私は更科の白にしました。とてもきれいなお蕎麦です。茹で加減も好き。
鴨つくねせいろ、地鶏せいろを食べましたが、どちらも美味しい。聞くと、神楽岡の「蕎麦切り左膳」をやっていたご夫婦とのこと。納得。
私は食事をしに蕎麦屋さんに行きますが、ここはお酒を楽しみながら蕎麦を食べることもできます。
もり塩は初めて食べる美味しさ。胡椒が効いていて、塩で食べます。気に入ってしまいました。昼も夜も行きたいお店です。