旭川3ノ5・TEL22-0054

 今年最後の号となりました。今回は贅沢に焼肉です。サンロク街の老舗、明月館さんにお邪魔しました。

 今年六月に改装したとのことで、綺麗な店内です。焼肉屋さんには珍しいカウンター席もあるので、一人でも気軽に来店できます。

 「母が中学卒業後、東京の焼肉屋で住み込みで修行し、開業したそうです。当時はがむしゃらに働いていたので、よく覚えていないそうですが、恐らく来年で五十年。当時はホルモン焼きなどを除けば焼肉屋はなく、ウチからたくさんの焼肉屋が独立したようです」と二代目の遠藤政広さん(36)。札幌での修業を経て、七年前にお店を継ぎました。

 今時期のオススメは、「希少部位三点盛り」(千二百円)。道産A5黒毛和牛の「シンシン」と「カメノコ」、「イチボ」の三種類です。運ばれてきた肉は鮮やかな赤色と霜降り。これで美味しくない訳がありません。慎重に焼いて、いただきます――。

 シンシンは、赤身のしっかりとした味わいと香り。カメノコは赤身のコクと食感がありながら、パサパサとしていません。そしてイチボは驚きの柔らかさ、とろける脂身。口に入れた瞬間から、幸せな気分…。

 続いて「ホルモン」(四百円)は開業時から変わらないタレが特徴。「今はホルモンと言えば塩ですが、昔はタレが一般的だったと思います」と遠藤さん。焼くととてもいい香り。コリコリと心地よい食感に、甘みのあるタレがうまみをグッと引き出しています。これは、ビールが何杯でもいけそうです。

 「ずっとアットホームにやってきたお店ですので、これからも温かく、昔ながらの味を提供していきたいですね」と遠藤さん。身も心も大満足、なんとも幸せな取材でした――。

 月曜定休。午後六時から午前三時(ラストオーダー同二時半)まで。

(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 久しぶりに行った明月館。改装して気に入ったのは1人用カウンターです。1人でも焼肉を食べたいから、これは嬉しいですね。

 やっぱりここは、美味しい。いつもはカルビにサガリ、ホルモンを頼みます。希少部位を頼んでみたら、肉の美しさに見とれてしまいました。食べるととてもジューシー。イチボが気に入りました。

 当然、ご飯と一緒に食べるけど、シメは麺にしたい…両方食べよう。

 今年もたくさん食べました。また来年も美味しいお店、ご紹介します。よいお年を。

2015年12月22日号掲載