2ノ7ヨシタケビル2号館1階・TEL25-1010

 今月六日、ヨシタケビル二号館一階にオープンした「茶房 はなより」さんにお邪魔しました。

 店内に入ると、まちの喧騒が嘘のように静か。落ち着いた和の内装、小さな音量で流れるクラシックに心が落ち着きます。

 「いらっしゃいませ」と品の良い声。着物姿でやってきたのは寺島恵子さん(62)。「東京のお店などもずいぶん回りましたが、旭川で受け入れられるようなお店を目指しています。まだまだ手探りなんです」と寺島さん。日本茶インストラクター協会が認定する、日本茶アドバイザーの資格を持っているそうです。

 おしながきには、煎茶(五百円)、深蒸し茶(同)、ほうじ茶(四百円)、抹茶(六百円)の四種類のお茶。コーヒーが四百円、タマゴ付きのトーストセットが六百円です。

 少し肌寒い天気。身体に沁みわたりそうな「深蒸し茶」を頼んでみました。

 寺島さんが軽やかな手つきで、急須からお茶を注いでくれます。一口飲むと、口から鼻に香りが広がり、深くほろ苦い味わいに心がホッとします。

 お茶請け(お菓子)はその時々で変わります。この日は小豆島の黒豆。しっとりとした食感と優しい甘み。上品な味わいがお茶にぴったりです。お茶請けは二百円で追加、三品の中から選ぶこともできます。

 「二煎目のほうがしっかりとした味わいになりますよ」と再び注いでくれました。確かに、味ははっきり、色は濃く変化しました。少し置いて温度が下がると、今度は甘みを感じます。「二煎目は私が淹れるようにしています。ご自分でされても結構ですが、殿方はなかなかご自分でお入れにならないので…」と笑う寺島さん。

 お茶はUSAGIYA(一ノ十)から仕入れ、茶道具は錦玉堂(六ノ八)に依頼したとのこと。器や小物は、寺島さんがこれまで少しずつ集めてきた品です。

 「女性一人でも、複数人でのおしゃべりでも、ゆったりと過ごして下さい」。静かな空間でほっと一息。まちの中心部で、穏やかな時間を過ごしてみませんか――。

 日曜、祝日定休。午前十一時から午後六時まで。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 こんな空間が欲しかった。「お茶しに行こう」と言っても、飲むのはコーヒー。コーヒーも好きだけど、たまにはおいしい日本茶をゆっくり飲みたい。家でもお茶は飲むけど、料理しながら立って飲むこともあったりして…。

 久しぶりに本当においしい日本茶を飲みました。入れるところを見るのも楽しい。深蒸し茶、ほうじ茶の香り高いこと! 飲み終わったら、二煎目を入れてくれるのも嬉しい。五煎飲んだ人もいるらしい。何気ない所に心くばりがある、ホッとする空間ですよ。

2016年09月27日号掲載