東光6ノ2・TEL33-8429

 寒い季節になってきました。今日は東光の「とり亭」さんにお邪魔しました。

 赤ちょうちんに赤のれん、これぞ居酒屋さん、といった外観。店内に入ると、壁にはメニューがぎっしり、木造りで味があります。

 「いらっしゃい!」と三人揃って満面の笑顔。焼き鳥だけでなく、一品料理、揚げ物、季節ものやお刺身まであります。居酒屋さんでも珍しい、あん肝や桜ユッケ、なんと豚足まで。

 ドドンとやってきたのは「新子のから揚げ」(八百円)。から揚げと書いていますが、大きな半身揚げです。それから「レバニラ炒め」(五百円)と「鳥串」(一本百二十円)。早速、いただきます――。

 新子のから揚げは、噛みつくとパリッと皮が裂けて、ジュワッとおいしい肉汁が広がります。「新子」なので、とても柔らか。絶妙な加減の塩コショウが味を引き立て、たまらない美味しさです。

 レバニラ炒めは、臭みのないレバーにタマネギの甘みとニラの風味。ほんのりとショウガの味が爽やかで、あっさりとした味付けです。これはご飯もお酒もいけます。

 さて鳥串は、ほんのりとした塩味と、噛むと奥からグ~ッとやってくる、何とも味わい深い鳥肉のおいしさを感じます。

 「やっぱお店で一番気を遣ってるのは、味だね。いい食材を使って、余計な味は加えないこと」と店主の遠藤鉄男さん(70)。五十歳の時に脱サラして、このお店を開業したそうです。焼き鳥屋さんに珍しいお刺身があるのは、一時期は魚屋を営んでいたこともあるからだそうです。

 「どこで修業も何も、急にやり始めたもんだから、メニューはお客さんに教わったようなもんだよ、ハハハ」。開店時間から間もなく、常連さんがカウンターに座り、何やら楽しそうにお話。「ご近所の居酒屋さん」の風景ですね。温かな料理と人柄が売りのお店です――。

 月曜定休。午後五時から同十一時まで。(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 東光においしい焼き鳥屋さんがあると聞いて、行ってみました。焼き鳥の匂いと一緒に、魚を焼くいい匂いもしてくる。焼き鳥屋さんというよりも居酒屋さんですね。

 モツ、砂肝、鳥串。どれもちょうどいい塩加減でおいしい。それからレバニラにホヤ酢、玉子焼きと色々食べたけど、どれも優しい味付け。

 常連さんや家族連れで賑わっていて、家の近くの焼き鳥屋さんとして愛されているのが伝わってきます。注文がひと段落すると、ご夫婦で串に肉を刺している。なんだかホッとする焼き鳥屋さんだ。

2016年10月10日号掲載