2ノ2・TEL29-2911

 店の名前のイメージから「焼き鳥店」と思って足を運ぶと、良い意味で期待を裏切られるに違いありません。店内の広さと多様な席、何よりメニューの豊富さで、どんな人のニーズにも応えてくれる居酒屋です。大きなお店ですが、個人経営ならではの温かさもあり、リピーターが多いというのも納得。

 座敷やカウンター席、テーブル席などがあり、和風の一階と山小屋風の二階では雰囲気も異なります。家族連れからカップルまで幅広く訪れるのは、メニューもさることながら、誰もがくつろげる空間の持つ力も大きいですね。

 店主の市川貴康さん(52)は、陽気なお人柄。百席もの広さの店を、スタッフたちとテンポよく切り盛りしています。

 「フードは二百五十種類、ドリンクは四百種類以上あります。ここはまちなかと違い、飛び込み客が少ない場所。わざわざ足を運んでくれるお客さんのために、いろんな方の趣味嗜好に合わせていってこうなりました(笑)。炭火の焼き鳥の他に、寿司職人が作る寿司、小鉢の一品料理、〆のラーメンまで、うち一軒で完結できます。来月から洋食の料理人も来る予定なので、洋食メニューが増えるかもしれませんね」と、メニューが多い理由を教えてくれました。

 カウンターに座り、炭火で焼き鳥を焼く様子を横目にいただいたのは、「炭焼きローストビーフ薄造り」(四百八十六円)。前の日の晩に仕込んだという新鮮なローストビーフは、弱火でじっくり火を入れるので、とろけるように肉がやわらか。和風のだししょうゆと山わさびという斬新な組み合わせも面白いです。ローストビーフは数種のバリエーションがあり、タレも違うというので食べ比べてみたくなります。

 人気の「手作りつくね」(四百八十六円)は、自家製だからできるふんわりとやわらかな食感。軟骨も少し入っているので、やわらかな中にコリコリとした歯触りの違いを楽しめます。

 できることならば大人数で出かけて、いろいろなメニューを食べ比べしたいところ。全部のメニューを食べるのには、相当な回数を通う必要がありそうです。

 十七時半から二十三時入店まで。不定休。平日の十一時半から十五時まではランチもあります。
(ライター・長祖久美子)

ケロコのひとことメモ

 久しぶりに行った「鳥忠」。迷うほどたくさんあるメニューの中に、ローストビーフを発見。焼き鳥屋さんでローストビーフなんて、あまり聞かないけれど、炭火で焼くんだからおいしいに違いない。

 ちょうどいい量。そして安い。火の通り具合も絶妙。赤さが食欲をそそります。私は山わさびと醤油で。合います。添えてある野菜の中にルッコラがあったけど、これを巻いて食べたら旨さ倍増。ランチのローストビーフ丼も食べに来なくちゃ。

 締めは隣の男性お勧めの鳥ラーメン。あっさりしておいしい。

2017年05月16日号掲載