豊岡10ノ11ノ1・TEL74-5310

 コーヒーを飲むことの方が多いけれど、たまには美味しい紅茶もいいなと思い知らされた。この店では、なんと二十種類以上もの世界の名だたる高級紅茶をそろえている。グラム売りに加えて、ユニークなのは店主の石渡啓嗣さん(69)が独自に開発したティーバッグの販売を中心としていることだ。

 店内には、世界三大銘茶の一つであるキームン、燻蒸をかけて発酵させたラプサンスーチョン、さわやかな千夜一夜、一番人気のニルギリなどのティーバッグが入った瓶をズラリと並べ、一個五十円から百円ほどで販売している。石渡さんによると、一般的なティーバッグは味を早く滲出させるため細かくした茶葉を詰めている。このため、滲出し過ぎると渋みが出る。これに対し、石渡さんのは茶葉が大きいうえに巧みにコントロールしているため、お湯を注いだ後、途中でカップから出す必要はない。何度お湯を足しても、味や風味が落ちることがない。時間の経過とともに、味や香りの変化を感じながら、一個で二杯分を楽しめるそうだ。

 石渡さんは、四十年近く旭川や札幌でフランス料理店を開いてきたシェフ。ところがある日、極上のダージリンを飲んで紅茶の美味しさに目覚め、このすばらしさを日本中の人に知ってもらいたいと紅茶の専門店を始めた。行きついた高級紅茶のティーバッグは、たぶん日本では初めてではないかという。

 紅茶とともに力を入れているのは、チーズケーキ。カマンベール、焼き芋チーズ、バスク(以上三百七十八円)、ゴルゴンゾーラ(四百八十六円)など十六種類も販売している。これがまた、どれもこれも予想外の食感と美味しさ。詳しく書き始めたら、きりがない。

 もちろん、テイクアウトだけでなく、店内ではゆったりとこれらや定評ある料理も味わえる。まずは、ケーキセット(千百円)で極上の味を試してはいかがだろう。

 定休日は水、木曜日。営業時間は午前十一時~午後七時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 暑い日には、アイスティーを飲みたくなる。美味しい紅茶といえば「グランパ」と思って行ったら、なくなっていた。あらら、と思って探すと、すぐ近くに移転していた。新しいお店は、前よりも広くて居心地がいい。

 さっそく、ランチを注文。頼んだのは冷製パスタ、これが本当に美味しかった。飲み物は、おススメのシトラスハーブティー。これも美味しい。

 そしてグランパだもの、チーズケーキも食べないと。たくさんの種類の中から迷った末、シンプルなクリームチーズを。やっぱり、間違いない。

2021年08月31日号掲載