忠和6ノ7ノ1・TEL62-1450

 移住者の僕は訪れたことがなかったけど、旭川の人は昔からみんな行って、知っているらしい。その有名なお城の店がここ。

 女将の篠永みゆきさんによると、もともと亡くなった夫が農協を退職して一九七一年、市中心部に鮮魚店、そして居酒屋を開店したのが始まり。そして七九年、いつかお城の店を開きたいとの夢を三十三歳で実現し、現在地に移転したそうだ。お城は、篠永家のルーツである香川県の高松城がモチーフ。本州から職人を呼び寄せ、石垣を一つ一つ積んだというからすごい。

 そんな歴史がある店も昨年、諸事情からトーヨーホテルグループの傘下に入った。営業部長の金子浩彦さんによると、これを契機に調味料から食材まですべて見直し、料理をパワーアップ。特に、看板の寿司は酢からコメまで厳選し、ネタはほとんど養殖物を使わないこだわりを貫いた。

 いただいたのは、大好評の新メニューという「ふゆ御膳」(千八百円)。運ばれてきたのを見て驚いた。すごいボリューム。中身だって、刺身は天然の本マグロとタイ、丁寧に出汁をとったカボチャや里芋の煮物、旬のタラの煮魚、柿の白和え、北斗ポーク(オホーツク産)と下仁田ネギの一口鍋、さらにぜいたくなミニちらし寿司までついている。味は、まさに料亭並み。「地産地消で安心、安全な食べ物をみなさんに届けたい」と金子さん。

 年内の営業は終わり、新年は二日から。正月明けは寿司を中心とした定番メニューだが、十二日からはランチも再開する。天ぷらや茶わん蒸しなどもついた寿司御膳(二千八百円)、豪華な中身の市松御膳(三千円)、とんかつ御膳(千三百円)、特製あんかけ焼きそば(千円)など、おいしいものがたくさんそろっている。おせちに飽きたら、出かけてみてはいかがでしょう。

 定休日は月曜日。営業時間は午前十一時~午後二時三十分、午後五時~九時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 久しぶりに行ったら、冬季限定の温麺をやっていた。寒い時には熱いうどんをツルツルッと食べるのが最高だ。そしてこのうどん、下川町産手延べうどん。料理長が下川町の出身なんだって。

 うどんだけでもいいと思ったけど、セットがあった。小うな丼か、小穴子丼。穴子は普段そんなに食べないけど、ビビッときたので、うどんと小穴子丼のセットにした。この穴子丼がびっくりするくらい美味しかった。

 次回はうな丼にしようかな。雰囲気もいいし、ぜひ行ってみて下さい。

2021年12月28日号掲載