緑が丘3ノ3ノ1・TEL65-8605

 地産地消、低農薬野菜、化学調味料無添加など、食材にこだわりを持ってくれる店が、旭川でもようやく増えてきた。我が家で実践している僕にはうれしいことだ。開店七年目を迎えるこの店もそんなひとつ。

 栄養学をずっと勉強してきた店主の高島光代さん(61)のモットーは、食材にこだわるだけでなく、栄養素を壊すような調理はしないこと。例えば、野菜は、なるべく減農薬、無化学肥料の道産、国産が中心。コメは減農薬、有機肥料の道産。卵は、中札内村の平飼い鶏。酢は米のみの醸造酢、塩、砂糖は未精製のもの、揚げ物はできるだけ控えるといった具合。

 メニューには、以前はカレーやパスタなども出していた。でも、コロナ禍の影響などで現在は、週替わりのランチ(千五十円)とデザートのケーキ(三百八十円)のみ。訪れた週は、A・豚肉と舞茸の梅みぞれ煮、B・海老とほたてと長芋のグラタンの二種。これに、共通でブロッコリーと卵とマカロニのサラダ、青菜とキノコのごま和え、数の子とクリームチーズの和え物という三種の小鉢に、カボチャの味噌汁、五穀入りご飯がついていた。

 どうでしょう。見ただけでも体によさそうでしょ。おまけにAの豚肉は、どうやって調理するのか柔らかくて絶品だった。食後にいただいた抹茶ティラミスも、きび砂糖を使った甘さ控えめで、コーヒーとの相性は抜群だった。

 店名の「ミューク」とは、北欧の家具や食器類が大好きな高島さんが、「ほっとする」という意味のスウェーデン語から付けたそう。昨年十一月に設置したという薪ストーブが体を芯から温めてくれ、料理も店内の雰囲気もまさにホッとさせてくれる。コロナ禍以前には年に三回ほど開いていたという、ゴスペルやオカリナなどのミニコンサートが再開される日が待ち遠しい。

 定休日は木曜日と第二、四日曜日。営業時間は午前十一時~午後三時(月曜日は午後二時半まで)。夜は、定休日と月曜日以外の午後五時半~九時(予約のみ)。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 緑が丘商店街にあり、ちょっと目立たないけど、入るととても落ち着いた雰囲気。

 ここは、オーガニックをできるだけ目指しているお店で、しっかり手作りしているというのが伝わってくる。ランチは、いかにも体によさそう。黒板には、使っている食材はどこのものか、書いてある。

 ここまでこだわると、食材を集めるのも大変だなあと思ったりして。

 デザートのケーキも美味しかった。コーヒーもまた美味しい。森彦コーヒーの豆を使っているそうで、味のバランスが食後にぴったり。

2022年01月25日号掲載