東光5ノ10ノ4・TEL090-9754-9466

 いなり寿司って、安価な寿司として江戸時代に生まれたらしい。今では、スーパーやコンビニの定番。でも、言われてみれば専門店って旭川ではあまり見かけない。

 この店、オープンしたのは今年一月。店主の横井千尋さん(59)は、北海道療育園に長く看護師として勤務してきたが、コロナ禍で孫の面倒を見なければならなくなったことなどから思い切って退職。自宅でできる仕事として、いなり寿司の店を始めることにした。

 と言っても、提供するのは普通のいなり寿司ではなく、カラフルで味のバラエティーにとんだ飾りいなり。「彩りがあって、作る方も食べる方も楽しいでしょ」と横井さん。現在用意しているのは、カリカリ梅とジャコ、黒米と甘納豆、玉子と豚肉のそぼろ、そばの実ごはん、あさりごはん、数の子といくら(各一個百円)の六種。

 僕は普段、いなり寿司はあまり食べないけれど、この飾りいなりは楽しい。一口サイズで、酒のつまみにもぴったりだ。横井さんは当初、一日四十個作っていたそうだが、間に合わず、今では九十個を作っている。それでも間に合わず、開店一時間ほどで品切れになる日がしばしばというのもわかる。

 飾りいなりとともに買い求める人が多いという総菜も、充実している。枝豆、コーン、白滝、レンコン、豚ひき肉など八種を詰め込んだ具たくさんきんちゃく(百五十円)、白だしからあげ(五個二百五十円)などのほか、日替わりでミニ総菜もある。訪れた日は、大(二百円)がイカフライとマカロニサラダ、キンピラ、小(百円)が菜の花の辛し和え、フキノトウ味噌など。どれもこれも、安価なのがうれしい。取材するたびにしょっちゅう思うのだけど、こんな店が自宅近くにあったらいいな。

 営業は月、水、金曜日の午前十一時~午後三時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコメモ
 友達の知り合いが、お店を開いたという。住宅街で少しわかりにくく、3回目でやっと行けた。

 飾りいなりというのは、上に色々なものがのっている。少し小さめなので、10個くらいはいけちゃうかも。

 そのほか、お惣菜もいろいろあって、あれもこれもとたくさん買ってしまった。これだけ買えば、夕食と翌日の朝食は何もしなくていい、とにんまり。

 毎日ごはん仕度をしていると、買ったお惣菜がうれしい。けっこう味が濃いのもあるけど、ここのはちょうどいい味付けだ。ぜひ行ってみて。

2022年04月21日号掲載